Panasonic LUMIX S1R カメラデータベース 小山壯二の結論

Panasonic LUMIX S1R カメラデータベース 小山壯二の結論

※本ブログは、電子書籍カメララボシリーズやカメラデータベースシリーズを結論部分を掲載したものです。
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ハイエンドに相応しい画像品質
多画素機でも高感度性能に妥協はないすばらしい結果

 ライカカメラ社のL-Mountを採用し、「高画質の限界に挑む、高解像モデル」と銘打った上位機がLUMIX S1Rです。多画素と引き替えにした性能は最小限で、最高ISO感度がLUMIX S1RのISO 51200に対し、LUMIX S1がISO 204800という違い以外は大きな差は見当たりません。ドット感のをまったくない高精細な約576万画素のビューファインダーや、XQDとSDカードのダブルスロット、6K PHOTO、9コマ/秒連写などSシリーズの魅力はすべて盛り込まれています。本書で特に注目した高感度時の解像力・色彩再現については、実用十分なISO 12800で、より画素の少ないデジタル一眼を含めて比較しても勝るとも劣ることはありません。ノイズは確認できるのですが、ディテールや色彩の消失は見受けられません。多画素機の弱点といわれる高感度性能において、ISO12800を常用域といえる数少ない1台といえます。解像力の面では極細部まで線が太くならず、繊細な描写であることに好感がもてます。良質なレンズを使えば、その性能をより発揮しやすく、レンズ性能が低いとせっかく多画素も意味を失うでしょう。高性能レンズのラインアップが非常に楽しみです。細部の繊細さを高めるため採用したローパスレス構造により、解像力の高いレンズほどコントラストの高い細部で偽色がでやすいことは注意点です。レンズ性能に左右されますが、8回露光し約1億8,700万画素を作り出す「ハイレゾモード」は、次元の違う情報量を実現しています。色彩はLUMIX S1と同じで大きな色彩編集を伴わない、全体彩度と階調コントロールを中心とした設定が多く、使いこなしが容易な反面、作品作りに物足りないと感じる場合は、RAWデータからの編集が必須となるでしょう。
 LUMIX S1の約2倍となる画素数は、長辺が1mを超えるような出力サイズではじめて圧倒的な強みを発揮します。本機を選択する決め手は、大きく重く高価ではあっても、妥協のない基本性能を本当に価値あるものとして、信頼し長く付き合えるなら現状の価格は安いと感じられる方も多いと思います。

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小山壯二
株式会社プロテック代表取締役
いち早くデジタルフォトに取り組み、画像処理前とアナログ時代に培った撮影テクニックで、
精⼀杯写真を撮影する。テスト記事を中⼼にカメラ雑誌への執筆も数多くこなしてきた。
最近はパノラマ撮影など、写真に関する好奇⼼はいまもって旺盛。