SAMYANG 8mm F3.5 UMC FISH-EYE CSII 機種別レンズラボ 齋藤千歳の結論

SAMYANG 8mm F3.5 UMC FISH-EYE CSII 機種別レンズラボ 齋藤千歳の結論

※本ブログは、電子書籍レンズラボシリーズやレンズデータベースシリーズを結論部分のみを掲載したものです。
※解像力・ぼけディスク・周辺光量落ち・最短撮影距離の実写チャートによる詳細な評価などもご覧いただくにはぜひ完全版である電子書籍をご覧ください。

フィッシュアイ入門におすすめ
安定の性能で魚眼レンズらしい描写表現を手軽に楽しめるうれしい1本

 SAMYANG 8mm F3.5 UMC FISH-EYE CSIIは、APS-Cサイズの撮像素子を搭載した一眼レフ向けのフィッシュアイレンズ。キヤノン EF、ニコン F、ペンタックス K、ソニー Aマウント用がそれぞれ用意されています。焦点距離は8mm、対角画角で180度、ただしキヤノン EFレンズ向けのみカメラ側の撮像素子サイズがひとまわり小さいために対角画角で167度となっています(今回はキヤノン EF用で撮影)。初代であるSAMYANG 8mm F3.5 UMC FISH-EYE CSが登場したときには、3万円台のフィッシュアイレンズ自体が珍しく、その価格が注目の的になっていました。しかし、2019年時点では、中国新興レンズブランドなどが多数参入しており、さらに安いフィッシュアイレンズも見かけるようになりました。ただし、すでに中堅レンズメーカーというイメージの強くなったサムヤンの本レンズでは、非球面ハイブリッドレンズやウルトラマルチコーティングを採用しており、高い解像力と同時に画角の広いフィッシュアイレンズならではの逆光耐性についても高い性能を発揮することが、多くのユーザーに支持されているといった印象です。
 各種チャートを撮影して結果をまとめると、解像力は中央部で非常に高く、周辺部は大きく歪む傾向です。絞り開放のF3.5では色収差が発生する傾向があるので、F5.6からF11がおすすめの絞り値となっています。F16以降は回折や小絞りぼけで解像力が低下するのでおすすめできません。また、周辺光量落ちについては四隅に明確に発生しますが、個人的にはフィッシュアイレンズであることを含めると、気にする必要はないと思います。ぼけの描写については、そもそもフィッシュアイレンズでぼけるシーン(被写体)があまりないので、問題を感じることはありません。
 広角が弱点などといわれるAPS-C機で180度(EF用は167度)の広い画角、圧倒的な歪みとパースペクティブを十分以上の画質で手軽に楽しめるのがSAMYANG 8mm F3.5 UMC FISH-EYE CSIIの最大の魅力です。ぜひ、試してみてほしいフィッシュアイレンズです。

●SAMYANG 8mm F3.5 UMC FISH-EYE CSII
レンズ構成:7群10枚
最大径×全長:Φ75.1×96.1mm 
質量:約440g(キヤノン EF用) 
実勢価格:35,000円前後(税込)から 
※2019年11月独自調べ

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齋藤千歳 Saito Titoce
 Amazon Kindle電子書籍『ぼろフォト解決&Foton電子写真集シリーズ』代表、
カメラ・写真ブログ「Boro-Photo」代表。
 月刊カメラ誌の編集者を経て、北海道・千歳市を拠点に車中泊で全道各地を撮影、
カメラ・写真および北海道関連の電子書籍の撮影・執筆・編集・出版を行っています。
カメラのキタムラさんが運営する
ShaSha(http://shasha.kitamura.jp/)にてレンズレビューを連載中。
ケンコー・トキナー公式インストラクター No.021、
北海道ファンマガジン(https://pucchi.net/)Sクラス認定ライター。
 ケンコー・トキナー公式写真ブログでも連載中。
 Facebookはtitoce.saitoです。
 カメラ・写真および北海道関連のよろずお仕事承ります。