SAMYANG XP50mm F1.2 レンズラボ 齋藤千歳の結論

SAMYANG XP50mm F1.2 レンズラボ 齋藤千歳の結論

※本ブログは、電子書籍レンズラボシリーズやレンズデータベースシリーズを結論部分を掲載したものです。
※解像力・ぼけディスク・周辺光量落ち・最短撮影距離の実写チャートによる詳細な評価などもご覧いただくにはぜひ完全版である電子書籍をご覧ください。

開放のF1.2から完全に実用可能
徹底した画質へのこだわりを感じる巨大な標準50mm大口径レンズ

 大きさや重さ、価格などの制限がないなら、究極に近いレンズを製造することは不可能ではない、という話はたまに耳にします。SAMYANG XP50mm F1.2は、最大径約93mm×全長約117.4mm、質量は約1,200gと大きさと重さという意味では画質を追求するために、制限を外したレンズといえます。キヤノン純正のEF50mm F1.2L USMが最大径約85.8mm×全長約65.5mm、質量約590gであることを考えるとSAMYANG XP50mm F1.2がいかに巨大なレンズかがわかるでしょう。ただし、実勢価格はサムヤンらしく約11万円とEF50mm F1.2L USMの約15万円よりはかわいらしい価格になっています。AFを搭載しないマニュアルフォーカスレンズで、対応するマウントはキヤノン EFレンズ用のみです。
 10万円を超える実勢価格で、大きさや重さに妥協することなく設計されたと考えられるSAMYANG XP50mm F1.2の各種チャートの撮影結果は、十分以上の素晴らしい内容です。公式サイトで5,000万画素、8K時代に対応するとうたわれている解像力は、EOS 6D Mark IIでの撮影結果ですが、絞り開放のF1.2から十分以上で、F2.0まで絞るとさらにシャープになります。しかも描写は繊細です。また、解像力をアップするために絞りを絞る必要は感じません。F16では軽度の小絞りぼけが起きるので注意が必要です。解像力の次に気になるのはぼけでしょう。多少収差やぼけのなかの同心円状のシワは発生しますが、なによりもF1.2ならではの大きなぼけが楽しめます。気を付けたいのは、開放とF1.4では気にならないのですが、それ以降では絞り羽根の形が比較的はっきりとぼけに反映される点です。ぼけの形の気になるシーンでは開放もしくはF1.4をおすすめします。周辺光量落ちは、開放絞りから非常によく補正されている点も称賛できます。ただし、最新設計レンズなのですが、最短撮影距離の結果は平凡です。SAMYANG XP50mm F1.2は、キヤノンEOSユーザーにとって、大きさと重さ、AFなしという条件はあるものの10万前後で買える最強の50mmF1.2といえる結果です。

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齋藤千歳 Saito Titoce
 Amazon Kindle電子書籍『ぼろフォト解決&Foton電子写真集シリーズ』代表、
カメラ・写真ブログ「Boro-Photo」代表。
 月刊カメラ誌の編集者を経て、北海道・千歳市を拠点に車中泊で全道各地を撮影、
カメラ・写真および北海道関連の電子書籍の撮影・執筆・編集・出版を行っています。
カメラのキタムラさんが運営する
ShaSha(http://shasha.kitamura.jp/)にてレンズレビューを連載中。
ケンコー・トキナー公式インストラクター No.021、
北海道ファンマガジン(https://pucchi.net/)Sクラス認定ライター。
 ケンコー・トキナー公式写真ブログでも連載中。
 Facebookはtitoce.saitoです。
 カメラ・写真および北海道関連のよろずお仕事承ります。