Tokina FíRIN 20mm F2 FE MF 機種別レンズラボ 齋藤千歳の結論

Tokina FíRIN 20mm F2 FE MF 機種別レンズラボ 齋藤千歳の結論

※本ブログは、電子書籍レンズラボシリーズやレンズデータベースシリーズを結論部分を掲載したものです。
※解像力・ぼけディスク・周辺光量落ち・最短撮影距離の実写チャートによる詳細な評価などもご覧いただくにはぜひ完全版である電子書籍をご覧ください。

作品撮影に使いたい広角単焦点
緻密で繊細な描写と被写体の質感を再現するような色彩が魅力

 Tokina FíRIN 20mm F2 FE MFは1950年設立の東京光器製作所から続くトキナーより2017年1月に発売された最新のマニュアルフォーカス(MF)レンズだ。対応マウントはSONY Eマウント。35mm判フルサイズで超広角の20mmをカバーし、開放F値はF2.0の明るい大口径超広角単焦点レンズになっている。レンズ構成は11群13枚、内2枚のガラスモールド非球面レンズと3枚のSD(超低分散)ガラスレンズを採用した高級仕様である。MFレンズの多くはカメラ本体との情報通信が行えないイメージがある。しかし、最新のMFレンズであるFíRIN 20mm F2 FE MFはCPUと距離エンコーダを搭載、カメラと連動しMFアシスト機能や周辺光量落ち、ディストーション、色収差などの光学補正、ボディ内手ぶれ補正にも対応する。筆者は電子ファインダーでピント合わせを行うミラーレス一眼は、ピーキングが使えるため大口径レンズでのMFとの相性がよいと考えている。そして本レンズは、質感の高い金属鏡筒に、ともに金属製の絞りリングとピントリングはMFで操作する喜びを感じるレベルに仕上がっている。
 各種実写チャートの結果についても、とても優秀。20mmのF2.0という難しい条件でありながら、中央部分については絞り開放から解像力が高い。周辺部分まで解像力は上げたいときはF8.0からF11程度に絞るといいだろう。周辺光量落ちについても、明るい超広角レンズとしてあってしかるべき量を残したオートでの補正も好感がもてる。ぼけについてはF2.0と明るいため近くにピントを合わせると背景は十分にぼける。また、点光源などに発生する玉ぼけの形も美しい。非常によくできた超広角大口径だが、筆者がもっとも気に入っている点はその描写と色彩である。普及価格帯のズームレンズなどとは一線画する緻密で被写体の質感を感じさせる解像力、トキナーブルーなどに代表されるレンズの独特の色彩描写は「このレンズで作品を撮りたい」と感じるのに十分。本レンズが第1弾となるトキナーの高級レンズシリーズFíRINの今後の展開にも期待したい。

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齋藤千歳 Saito Titoce
 Amazon Kindle電子書籍『ぼろフォト解決&Foton電子写真集シリーズ』代表、
 カメラ・写真ブログ「Boro-Photo」代表。
 月刊カメラ誌の編集者を経て、カメラ・写真および北海道関連の
電子書籍の撮影・執筆・編集・出版を行っています。
ケンコー・トキナー公式インストラクター No.021、
北海道ファンマガジン(https://pucchi.net/)Sクラス認定ライター。
 ケンコー・トキナー公式写真ブログでも連載中。
 Facebookはtitoce.saitoです。
 カメラ・写真および北海道関連のよろずお仕事承ります。