ZEISS Batis 2.8/135 機種別レンズラボ 齋藤千歳の結論

ZEISS Batis 2.8/135 機種別レンズラボ 齋藤千歳の結論

※本ブログは、電子書籍レンズラボシリーズやレンズデータベースシリーズを結論部分を掲載したものです。
※解像力・ぼけディスク・周辺光量落ち・最短撮影距離の実写チャートによる詳細な評価などもご覧いただくにはぜひ完全版である電子書籍をご覧ください。

非の打ち所がない解像感
解像力チャートも、ぼけチャートも、ため息の出るような実写結果

 ZEISS Batis 2.8/135は、2017年5月にカールツァイスからSony Eマウント用に発売された最新の大口径中望遠単焦点レンズだ。レンズ構成は11群14枚でApo Sonnar(アポ ゾナー)タイプ。14枚のレンズのうち8枚が特殊低分散ガラスレンズで、高次元の色収差補正を実現している。また、Batisシリーズのためオートフォーカスにも対応し、ZEISS Batis 2.8/135は光学手ぶれ補正を搭載、防塵・防滴効果もある高性能な1本に仕上がっている。大きさは約Φ98×120mmとミラーレス一眼用としては大ぶりだが、質量は約614gと見た目より軽く、取り回しもいい。シリーズで統一されたレンズフードまでが一体となったデザインと有機ELディスプレイの測距表示も先進のカールツァイスを強く感じさせる。
 気になる実写結果については、ため息が出るほど良好なものだ。解像力チャートから見ていくと、絞り開放のF2.8からF11まで中央部はもちろん、周辺部に至るまで、解像力はほぼ変化しない。さすがにF16以降では回折による解像力低下が観察されるが、その程度も軽微。詳細にみていくとF5.6前後が解像力のピークだと思われるが、必要な被写界深度に合わせて好きな絞りで撮影するといいだろう。解像感は高いが無理にシャープネスを上げた印象のない描写も秀逸だ。また、ぼけのチャートについては、ぼけの円に色つきがなく、円のなかにムラがないほどぼけがきれいになる。普通のレンズは多少なりとも色つきが観察されるのだが、本レンズでは撮影していた筆者がカラーモードをモノクロにしたかと疑うレベルで色つきもなく、ぼけの円のなかのムラも非常に少ない結果であった。チャート以外の撮影でもぼけは美しい。非の打ち所がない解像感とぼけの美しさであるが、α7 IIで撮影するなら「レンズ補正」の「歪曲収差補正」は「オート」をおすすめする。背面モニターでの全体表示のサイズでも、レンズの性能が高さが伝わってくる1本。おそらく購入を検討する際の最大のハードルは20万を超える価格であろう。これと折り合いが付けば、ぜひ一度は使ってみてほしいレンズだ。

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齋藤千歳 Saito Titoce
 Amazon Kindle電子書籍『ぼろフォト解決&Foton電子写真集シリーズ』代表、
 カメラ・写真ブログ「Boro-Photo」代表。
 月刊カメラ誌の編集者を経て、カメラ・写真および北海道関連の
電子書籍の撮影・執筆・編集・出版を行っています。
ケンコー・トキナー公式インストラクター No.021、
北海道ファンマガジン(https://pucchi.net/)Sクラス認定ライター。
 ケンコー・トキナー公式写真ブログでも連載中。
 Facebookはtitoce.saitoです。
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