Canon EF24-105mm F4L IS II USM レンズデータベース 小山壯二の結論

Canon EF24-105mm F4L IS II USM レンズデータベース 小山壯二の結論

※本ブログは、電子書籍レンズラボシリーズやレンズデータベースシリーズを結論部分を掲載したものです。
※解像力・ぼけディスク・周辺光量落ち・最短撮影距離の実写チャートによる詳細な評価などもご覧いただくにはぜひ完全版である電子書籍をご覧ください。

レンズラインアップの主軸
広い標準域をカバーしてくれる中庸な標準ズームレンズとして秀逸

 EF24-105mm F4L IS II USM(以下、II 型)は、手ぶれ補正機能を備えた初代の4 倍ズームのEF24-105mm F4L IS USM(以下、初代)後継機として2012 年に発売されたレンズです。標準域を広くカバーする24-105mmは現行キヤノンに3本存在します。自身のレンズラインナップを考えると、4倍ズームの24-105mmは、現実的な価格でハンドリングもしやすい中核レンズとしてバランスのよい1本です。
 本書のチャートによるテストは比較評価を目的としていませんが、今回は初代を含む全4 本を同条件で比べることで、Ⅱ型の全体像を客観的に見直しました。II 型の画像品質は最新機種のRF24-105mm F4 L IS USMに似ており、初代よりも明らかな進化を確認できました。正常進化が確認できたことはユーザーとしてうれしいことですが、やはり設計自体は古く、本レンズならではの特に秀でた部分をみつけることはできませんでした。超多画素機ではさまざまな面で力不足を感じるかもしれません。解像力は周辺部まで繊細な描写を求めなければ、なんとか開放から使えるレベルで、周辺光量落ちは広角端の四隅は補正なしでは許容できないが、補正によりうまく解消されていて、大きな進化がみえます。ぼけも目に余るような欠点はなく、望遠端は評価に値します。仕方ないですが開放F値が4.0と暗くF2.8やF2.0の大口径レンズに比較し、ぼけを活かした撮影では明らかに不利です。すべてにおいてベストではないが問題視するほどではない、よくも悪くも中庸の性能であり、普段使いのよい相棒といえるでしょう。
 II 型のように個性の薄いレンズとうまくつきあう方法は、いち早く不満に思う点をみつけることです。そしてその不満点を埋めるように自身のレンズラインアップに単焦点を追加するとよいでしょう。昆虫や花のように、もっと被写体に迫って鮮明なピントと大きなぼけを求める場合はEF100mm F2.8L マクロ IS USMを追加したり、気軽な街歩きにはコンパクトで明るいEF35mm F2 IS USMを追加したりと、自身のこだわりの被写体に応じたレンズラインアップを組み上げる基礎として最適なレンズです。

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小山壯二
株式会社プロテック代表取締役
いち早くデジタルフォトに取り組み、画像処理前とアナログ時代に培った撮影テクニックで、
精⼀杯写真を撮影する。テスト記事を中⼼にカメラ雑誌への執筆も数多くこなしてきた。
最近はパノラマ撮影など、写真に関する好奇⼼はいまもって旺盛。