LAOWA 10mm F2.0 Zero-D MFT 解像力・ボケ実写チャート性能テスト結論
光学性能の高い小さな広角
周辺部まで驚くほどよく写る20mm相当のマイクロフォーサーズレンズ
LAOWA 10mm F2.0 Zero-D MFT 解像力・ボケ実写チャート性能テスト結論
今回テストを行ったLAOWA 10mm F2.0 Zero-D MFTは、マイクロフォーサーズ(MFT)用の焦点距離10mmの広角レンズです。質量はわずかに約125g、最大径は53mmで長さは約41mmとコンパクトで軽量。ただし、金属パーツを多用しており、質感は高く、実際にもつとずっしりと感じます。レンズ構成は7群11枚で非球面レンズを2枚、EDレンズを3枚採用。絞り羽根の枚数は5枚です。前玉の多くせり出したレンズではないので、46mmの丸型フィルターがそのまま使えます。また、ラオワのレンズとしては珍しく電子接点を搭載、カメラ本体との各種データのやりとりが可能です。この点も非常に期待がもてます。
各種チャートテストの結果ですが、解像力チャートについては、非常に良好です。中央部は絞り開放から、とても解像力が高く安定しています。また、周辺部は絞り開放付近ではややコントラストが低くなりますが、こちらも解像力が高いです。ただし、ZERO-D(ディストーション-ゼロ)が名称に入っているのですが、ほかのZERO-Dよりも歪曲が強く感じました。ぼけの質は予想以上になめらか、ただし形は絞り羽根の形状が目立つ結果です。周辺光量落ちは、ラオワの広角レンズにしては、多くは感じません。最短撮影距離と最大撮影倍率はラオワらしく優秀な結果でした。非常に光学性能の高いレンズだといえます。筆者が気になったのは、電子接点が搭載された効果です。撮影時にExifデータなどが残るのはテスターとしては、とても便利。それ以上に純粋な光学性能だけでも優秀なラオワのレンズにカメラ本体による周辺光量落ちや歪曲収差などのデジタル補正が行われるとどんな結果になるかが気になるところです。今回使用したLUMIX GX7 Mark IIでオン・オフできたのは周辺光量落ちだけでしたが、明確に効果が確認できました。今後、歪曲補正など、ほかのマウントでも電子接点が搭載されるといいのですが。なんにしてもLAOWA 10mm F2.0 Zero-D MFTは、20mm相当のMFT用レンズとして、コンパクトで軽量、そして光学性能の高い、非常に使いやすいレンズです。
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●LAOWA 10mm F2.0 Zero-D MFT
レンズ構成:7群11枚
最大径×長さ:Φ約53×41mm
質量:約125g
実勢価格:54,000円前後(税込)
※2021年3月独自調べ
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齋藤千歳 Saito Titoce Amazon Kindle電子書籍『ぼろフォト解決&Foton電子写真集シリーズ』代表、 カメラ・写真ブログ「Boro-Photo」代表。 月刊カメラ誌の編集者を経て、北海道・千歳市を拠点に車中泊で全道各地を撮影、 カメラ・写真および北海道関連の電子書籍の撮影・執筆・編集・出版を行っています。 カメラのキタムラさんが運営する ShaSha(http://shasha.kitamura.jp/)および 学研さんのCAPA CAMERA WEB(https://capa.getnavi.jp/)でも レンズレビュー連載およびカメラバッグレビュー連載を担当しています。 特選街web(https://tokusengai.com/)でカメラ関連および各種レビューを執筆。 焦点工房(http://stkb.co.jp/)の連載コラム「レンズチャートは囁く」を公開中。 PASHA STYLE(https://pasha.style/)にてレンズレビューを連載中。 ケンコー・トキナー公式インストラクター No.021、 北海道ファンマガジン(https://pucchi.net/)Sクラス認定ライター。 ケンコー・トキナー公式写真ブログでも連載中。 Facebookはtitoce.saitoです。 カメラ・写真および北海道関連のよろずお仕事承ります。