秋山薫・Foton機種別作例集『オールドレンズデータベース』シリーズを新たに始めました!
■新シリーズ『オールドレンズデータベース』を始めます
『Foton機種別作例集』において、あらたに旧製品レンズのレビュー本として『オールドレンズデータベース』を新シリーズとして始めます。その第一弾としてレンジファインダーカメラであるMINOLTA CLE用のMマウントレンズM-ROKKOR 28mm F2.8をとりあげました。秋山薫と水子貴皓さんの共著です。
【書名】『Foton機種別作例集327 MINOLTA M-ROKKOR 28mm F2.8 オールドレンズデータベース』
【制作】ぼろフォト制作委員会
【著】秋山薫、水子貴皓
【編集】秋山薫
【監修】齋藤千歳、小山壯二
【価格】250円
■絞りによる解像力変化、最短撮影距離、周辺光量落ち、絞りによるぼけの変化をチェック
本書は既刊の『レンズデータベース』シリーズと同じように、絞りによる解像力変化、最短撮影距離、周辺光量落ち、絞りによるぼけの変化をそれぞれ撮影し、あわせて実写画像を交えつつ取り上げるレンズの実力をみていこうというもの。カメラのファインダーを見ながら「こんな感じかなあ」とぼんやり思っていたことを、テストチャートの撮影により「こういう傾向を持っていますよ」をわかりやすく示す本にしました。
■M-ROKKOR 28mm F2.8とは
M-ROKKOR 28mm F2.8はかつて発売されていたレンジファインダーカメラMinolta CLE用に用意された広角レンズです。1971年にミノルタカメラ(当時)とエルンスト・ライツ(当時)が技術提携を行い、その成果のひとつとしてMマウントのLeitz-Minolta CL/Leica CLが1973年に登場しましたが、そのときには40mmと90mmの2本の交換レンズが用意されたのみでした。その後継機種として絞り優先AEを備えたMinolta CLEが1981年に発売された際に用意されたのが、このM.ROKKOR 28mm F2.8。Mマウントのほかのカメラで用いることができます。
当時その性能は評価されていたものの、発売当時はすでに一眼レフが主力製品だった時期であり、比較的短期間で販売終了しています。1990年代のクラシックカメラブーム以降に再評価されたといってもいいかもしれません。その実力についてはぜひ本書をご覧ください。
■レンズ技術の推移がわかるかも
本シリーズでは今後も国内外のすでに旧製品となったレンズを取り上げていくつもりです。著者たちにまずそれらがいまのデジタルカメラボディではどういう描写になるのか興味がありますし、製品によっては伝説や枕詞のように評される伝聞的な形容はほんとうなのかなあ、と自分たち自身の目で確かめてみたいという思いもあります。そして、かっこよくいうと現代のデジタルカメラ用に設計されているレンズへいたる光学技術の革新の推移が感じ取れるようになればおもしろいですし、実用になる絞り値や使用上の注意などを考えつつ、「いまのカメラでも意外といけるかも」という製品があわよくば見つかるといいなあ、という思いもあります。
月額制読み放題サービスkindle unlimitedにも対応しています。ぜひご一読くださいませ。そして、続編にもご期待ください。
秋⼭ 薫 Kaoru Akiyama 1973年生まれ。鉄道に興味があって写真を始め、いつのまにかカメラ・写真好きに。 専攻はロシア芸術史。もともとは単焦点レンズと一眼レフが好きだったのに、 ソビエトカメラも好きになったあたりからは、試写したカメラはたいてい好きになる幸せ者。 月刊カメラ誌編集部員、季刊カメラ誌編集長を経験。現在はおもにカメラ・写真関連記事の 編集者・写真家として活動し、『ぼろフォト解決』シリーズの編集・執筆も行っている。 個人ブログ https://saliut1500s.blogspot.jp/