Nikon D6 カメラデータベース 小山壯二の結論
Nikon D6 カメラデータベース 小山壯二の結論
※本ブログは、電子書籍カメララボシリーズやカメラデータベースシリーズを結論部分を掲載したものです。
※ISO感度ごとの解像力の変化実写チャート・ISO感度の変化による色彩変化の実写チャート・ダイナミックレンジのISO感度ごとの変化実写チャート・カラーモードによる色彩の変化実写チャートによる詳細な評価などもご覧いただくにはぜひ完全版である電子書籍をご覧ください。
俊敏なゴリアテ
すべての高速性で必ず「写る」ストレスフリーなプロカメラ
Nikon D6は世界のデジタル一眼レフを牽引した、Nikon D1の系譜を引き継ぐ最新のハイエンド一眼レフです。1999年9月に発売されたNikon D1は、当時数百万円だったプロ用デジタル一眼レフを一気に購入可能な価格にし、多くのカメラマンの生活を一変させた1台であり、Nikon D1ユーザーのひとりであった筆者も感慨深くNikon D6と向き合いました。
さまざまな配置や操作性などNikon D1の面影があり懐かしくもあるのですが、第一印象はとにかく重い、大きいです。手の小さな私は右手の親指にかかる負担が大きく、片手保持はできませんでした。ハイエンド機ながら有効画素数約2,082万画素なのは、ひとつの画素をできるだけ大きくし光をとらえる性能を保持しつつ最大画素数を選択したのだと思います。採用された4つのシャープネスパラメーターの仕組みは調整範囲が広く、印刷やWeb、TVでの表示特性を考慮し、後処理不用のデータ作りの結果と理解できました。チャート撮影でもっとも興味があったのは、5段増感によるISO 3280000相当の画質です。解像力の消失は非常に大きく常用感度のISO 102400までしか容認できません。しかし色彩と階調の保持はISO 204800相当まで見事に粘ります。明るくない現場で高速シャッターがどうしても必要な条件を想定するなら、解像力より色彩保持を優先した現在の設定に意味があると思います。写ったか写らないかにしのぎを削るプロの現場の判断でしょう。それでも気になるのは3段増感あたりからホワイトバランスでは修正できない激しい色かぶりです。設定できるからこそ求めてしまうのですが、もう少し色かぶりを抑えた改良に期待します。いつの間にか高速性を基軸としたハイエンド機は、スポーツ用とかオリンピックカメラとか称されるようになりましたが、本当の意味は実際に使ってみて理解できたように思えます。どんな悪条件でも高速に「撮り逃がす」ストレスなく撮り続けられて、撮影したデータをより短時間に最終出力へと受け渡すしくみが、画像設計や強力な通信機能などさまざまに組み込まれ、まさにプロのカメラです。
●Nikon D6
有効画素数:約2,082万画素 35mm判フルサイズ
大きさ:約160×163×92mm
質量:約1450g(バッテリー、メモリーカード含む)
価格:730,000円前後(税込・ボディ単体)
※2020年6月独自調べ
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小山壯二 株式会社プロテック代表取締役 いち早くデジタルフォトに取り組み、画像処理前とアナログ時代に培った撮影テクニックで、 精⼀杯写真を撮影する。テスト記事を中⼼にカメラ雑誌への執筆も数多くこなしてきた。 最近は語られなくなっているデジタルフォトの基礎など、深掘り小山壯二として使命を感じて活動。 写真に関する好奇⼼はいまもって旺盛。