小山壯二の深掘!「拡張感度は何処まで使えるか FUJIFILM X-T3編」

小山壯二の深掘!「拡張感度は何処まで使えるか FUJIFILM X-T3編」

カメラに備わる最高ISO感度をチェックします

ほぼ全てのデジタルカメラは「常用ISO感度」に加えて「拡張感度」の設定が可能です。
ではどの程度の画質を持っているのか、実写で検証する事も少なかったと反省し、常用しているカメラからテストしてみることにしました。

まずはFUJIFILM X-T3+XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISです。
このカメラは常用感度はiso12800まで、拡張感度はiso51200までとなっています。

比較基準としてiso3200と最高感度となるiso51200をjpegの全画面で掲載しました。
iso 51200

iso3200

掲載サイズではiso51200も使えると思われるかもしれません。そこで部分を切り取りiso3200〜51200までの画像を並べてみました。

jpeg撮影では高感度になるにつれノイズリダクションの影響により、ディテールの消失が顕著で滲んだような細部が目立ちます。常用感度iso12800までならこのような夜景では許容範囲で、最高感度でも全体をA4程度のプリントに限れば、ノイズや色斑はあるけれどなんとか使えるレベルと判断できます。

jpeg撮影データで顕著なディテールの消失をなんとか軽減したいので、できるだけ鮮明さを損なわない事を目標しAdobe CameraRAWで現像して見ました。カメラが作るjpegと比較して明瞭な印象は得られましたが、ノイズは少々増えたようです。コツとしては低感度と同じような滑らかさは諦めて、ノイズは一定量許容し鮮明度と色斑を除去するように心がけるほうが良いようです。

iso51200のRAW現像後の全体像と部分

現状のカメラスペックでは、画素数と連写スピードに並んで最高ISO感度を比較項目とする傾向にあリますが、その品質において一定の基準があるわけではなくメーカーや機種によって大きく結果が異なります。備わっているからといって使えるかどうかは自身の目で確かめる必要があるでしょう。

■商品の詳細は下記から。

 

小山壯二
株式会社プロテック代表取締役
いち早くデジタルフォトに取り組み、画像処理前とアナログ時代に培った撮影テクニックで、
精⼀杯写真を撮影する。テスト記事を中⼼にカメラ雑誌への執筆も数多くこなしてきた。
最近はパノラマ撮影など、写真に関する好奇⼼はいまもって旺盛。