小山壯二の深掘! 「デジカメの画素数について考える」

その画素数、本当に必要ですか?

デジタル一眼がこれからの主力になるという気運が高まった時、一般的な使用においては600万画素が中心だと思われていました。今では2000万画素台が中心であり、高画素機では4000万画素〜6000万画素になっています。過去にも画素数がもたらすメリットとデメリット等は語られてきたことなのですが、改めて検証してみたいと思います。

デジタル画像の画素数を考える時には、何にどのように出力するのかで大きく判断が変わります。今回はプリント出力とモニター出力について考えます。

その前に肉眼の細部観察能力はどの程度なのか様々なdpi値のデータを用意して、写真用プリンターで最も緻密なモードを使ってA5サイズに出力しました。20歳〜60歳まで10数人に見てもらい、画像の緻密さ順に並べるという方法で、どこから差が見え始めるのか調べました。


サンプルとして使った画像です。A5サイズでは約450dpiとなるので、450,350,300,250,200,150,100dpiと画像データの画像解像度を変えたデータをプリンターで印刷しました。

結果は以下の通りです。

目の良い若者でさえ確実に300dpi以上を見分けることは出来ませんでした。ルーペでプリントを確認すれば確かに差があるのですが、肉眼では無理でした。

では、300dpiが一定の基準となり得ると仮定して、画素数ごとの最大出力サイズを計算した結果が以下の通りです。

2400万画素以上では特別な目的がない限り用途が存在しない事がわかります。
まして、大きいサイズになればなるほど距離が離れるので細部の観察は難しくなります。

ではもう一つの代表的なディバイスでありモニターについて考えます。
最近、大型電気店等では8KTVが展示され美しさや緻密さに驚かれたことと思いますが、以外にも画素密度は低く100インチの8KTVでも50インチの4KTVでも約150dpiでプリンターよりやや少ない画素密度で充分である事がわかります。

以上をふまえて考えれば、一般的には2400万画素付近が最もメリットがあるように感じます。

では、画素数によるメリットデメリットを考えたいと思います。

<高画素機のメリット>

1)1mを超えるような出力が必要になったときより高品質で出力できる

2)レンズの性能チェックをする時、測定器としての能力が高い

<高画素機のデメリット>

1)一つの画素が小さくなるのでダイナミックレンジが狭くなり、ノイズも増えやすい。

2)1)の理由から色再現に関しても不利となる

3)高画素を活かすためにはより高性能なレンズが必要となり、購入にかかる経費が増える。

4)画像データの容量が大きくなるので、カメラや扱うパソコンへの負荷が増える

5)カメラ自体が高価

イレギュラーな写真の使い方を想定しなければ、メリットは殆どありません。以前にあるカメラマンに「どのくらいの画素数が有れば良いですか?」と尋ねたところ、「出来る限り沢山」と言われてました。本当にそうでしょうか。パソコンで細部を拡大してみて「オーすごい」「さすが高画素機だ」と感激することもモチベーションに必要かもしれませんが、そろそろ落ち着きませんか。

私の感覚では、2400万画素機は最高の35mmカメラを、5000万画素機は中判6X7カメラを、1億画素は4X5インチフィルムのカメラをそれぞれ超えているように思えます。フィルム時代を基準にするつもりはありませんが、AFや連写に代表される高い機能がより簡単に利用できることで、写真のレベルを上げるという次のステップに進みましょう。

小山壯二
株式会社プロテック代表取締役
いち早くデジタルフォトに取り組み、画像処理前とアナログ時代に培った撮影テクニックで、
精⼀杯写真を撮影する。テスト記事を中⼼にカメラ雑誌への執筆も数多くこなしてきた。
最近はパノラマ撮影など、写真に関する好奇⼼はいまもって旺盛。
今本気で写真が旨くなりたい。