小山壯二の深堀「HDRについて考える 第2回HDRで得られた細部描写」
小山壯二の深堀「HDRについて考える 第2回HDRで得られた細部描写」
HDRアプリの基本的機能は輝度の異なる複数の画像を合成し、被写体輝度範囲の広い画像を生成する事ですが、他にも大きな効用があります。
撮影した画像(HDR無し)
Photoshop HDR Proで処理 Aurora HDRで処理
3枚の画像の部分を拡大してみます
撮影した画像(HDR無し)
Photoshop HDR Proで処理 Aurora HDRで処理
Photoshopでは被写体輝度範囲を広くなったために、少しコントラストが低下して明瞭度が低下しているように見えます。
Aurura HDRではオリジナルと比較して細部の明瞭度が高くなっています。解像力そのものが上がるわけではないのですが、細部のコントラストが増加するため、明瞭度が高くなるようです。一見強力なアンシャープマスクを適用したように見えますが、独特の暗部の白エッジや明部の黒エッジが存在しません。この明瞭度の程度は細部のHDR効果として自由に調整が可能です。
ドラマチックな画像を作る事にとらわれがちですが、細部に目をやればここにも大きな効果を見つけることが出来ます。
特にプリントアウトを考えた場合には、メリハリのある細部描写で立体感のある表現を、プリントサイズに合わせてコントロール出来ます。
次回はHDRに必須の露出を変えながら複数カットを撮影する方法とカメラについてお伝えします。
小山壯二 株式会社プロテック代表取締役 いち早くデジタルフォトに取り組み、画像処理前とアナログ時代に培った撮影テクニックで、 精⼀杯写真を撮影する。テスト記事を中⼼にカメラ雑誌への執筆も数多くこなしてきた。 最近はパノラマ撮影など、写真に関する好奇⼼はいまもって旺盛。