Nikon Z 6 カメラデータベース 小山壯二の結論

Nikon Z 6 カメラデータベース 小山壯二の結論

※本ブログは、電子書籍カメララボシリーズやカメラデータベースシリーズを結論部分を掲載したものです。
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ミラーレス化したD5
画素数依存ではない機能は、間違いなくハイエンドクラス

 有効約4,575万画素のNikon Z 7に対し2,450万画素のZ 6が弟分のように思われがちですが、テストをするにつれて逆転した感想をもつようになりました。Z 6はキビキビとした動作で小気味よい印象です。Z 6 はまるで一眼レフのフラッグシップであるD5がミラーレスになったような印象を受けます。有効画素数による総情報量の差はありますが、画素数以外の性能はZ 7を上まわる印象で、事実上のハイエンドといえるような結果です。ハードウェアの高性能ぶりと多機能にも目を見張りますが、画質面でも高感度時の解像力と色彩の保持力が高く、賞賛に値するポイントとなっています。ISO 51200が、Z 6ほど使えるカメラは少ないと思いますし、最高感度であるISO 204800では解像力は著しく低下し、像は大きく崩れていくものの、この感度でしか撮影できない被写体があることを考えると、筆者は許せる範囲の画質と判断しました。高感度での色彩の保持においても、暗部の色彩を無彩色化することなく、最高感度付近まで保持している点は見事です。
とはいえ、画像性能からみて、いくつか気になるポイントもあります。もっとも気になるのはJPEG時のダイナミックレンジの狭さです。JPEGの撮りっぱなしデータを仕上がりデータとするため、ヌケのよいキリッとした階調を表現するための選択なのかもしれません。しかし、実写のRAW現像では少なくみても2段近く暗部の再現域が広がるので、JPEGでもいま少し豊かな暗部階調を目指してもよいのではないでしょうか。また、Z 7も同様ですがピクチャーコントロールの色彩設定には不満が残ります。あまりにも目的別の個性がなく、選択に必然性を感じられない状態です。それぞれにもっと個性のある色彩群であってほしいと感じました。
Z 7がハイエンド、その次がZ 6という印象でしたが、実際に撮影してみると、それぞれが異なる性質のハイエンド機であることに気付きました。多画素と連写性能や暗部再現の限界などのどちらを選択するかは、ユーザーがなにを撮りたいかの選択にかかっていますが、Z 6の25万前後の実勢価格は魅力的です。

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小山壯二
株式会社プロテック代表取締役
いち早くデジタルフォトに取り組み、画像処理前とアナログ時代に培った撮影テクニックで、
精⼀杯写真を撮影する。テスト記事を中⼼にカメラ雑誌への執筆も数多くこなしてきた。
最近はパノラマ撮影など、写真に関する好奇⼼はいまもって旺盛。