SAMYANG 21mm F1.4 ED AS UMC CSレンズラボ 齋藤千歳の結論

SAMYANG 21mm F1.4 ED AS UMC CSレンズラボ 齋藤千歳の結論

※本ブログは、電子書籍レンズラボシリーズやレンズデータベースシリーズを結論部分を掲載したものです。
※解像力・ぼけディスク・周辺光量落ち・最短撮影距離の実写チャートによる詳細な評価などもご覧いただくにはぜひ完全版である電子書籍をご覧ください。

31.5mm相当は使いやすい
絞り開放F1.4から解像力が高く、ぼけも美しい優秀な広角レンズ

 SAMYANG 21mm F1.4 ED AS UMC CSは、Canon M、FUJIFILM X、SONY Eとマイクロフォーサーズ用がそれぞれ用意されるAPS-Cおよびマイクロフォーサーズ用のレンズだ。そのため、カメラに装着した際の画角は一般的なAPS-C機で31.5mm相当、 キヤノンでは33.6mm相当となる。マイクロフォーサーズでは42mm。今回はSONY α7 IIのAPS-Cクロップを使い31.5mm相当で撮影を行った。広角単焦点の定番と言える焦点距離に28mmと35mmがある。本レンズの31.5mm相当は、ちょうど、このふたつの定番焦点距離の中間になる。28mmか、35mmかについては、個々人の意見があるだろう。しかし、どちらにしても31.5mmはぜひ一度試してほしい。「なんだ、これでいいじゃん」と思う使いやすさがあるのだ。レンズ構成は7群8枚とシンプルだが、内3枚がガラス非球面レンズで、1枚が低分散(ED)レンズと豪華なものになっている。絞り羽根も9枚の円形絞りとぼけの美しさににも期待できるスペックになっている。
 実際にテストチャートなどを撮影した結果は、とても優秀。開放絞りから安心して撮影できる解像力をもつ。周辺部の解像力も絞り開放から悪くない。ただし、F4.0程度まで絞るとワンランク上の解像力となる。画像全体の解像力のピークはF8.0前後。またF16以降は明らかに絞り過ぎによる解像力の低下が起きるので注意したい。ぼけについては、開放のF1.4ではややぼけがざわつくことがあるかもしれない。ただし、F2.0以降では画像中央部と周辺部の玉ぼけの形もそろい、ざわつきも気にならないだろう。実写チャートで唯一気になったのが周辺光量落ち。開放のF1.4やF2.0で強く出るのは個性として問題ない。しかし、それ以上に絞ってもわずかな周辺光量落ちが最後まで消えないのは残念だ。必要ならレタッチなどの後処理を検討しよう。倍率色収差や歪曲も気にならないレベルに抑えられている。わずかな周辺光量落ち以外にこれといった弱点もなく、28mmと35mmの両方のよさを感じさせる大口径広角単焦点はぜひ使ってみたい1本だ。

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齋藤千歳 Saito Titoce
 Amazon Kindle電子書籍『ぼろフォト解決&Foton電子写真集シリーズ』代表、
 カメラ・写真ブログ「Boro-Photo」代表。
 月刊カメラ誌の編集者を経て、カメラ・写真および北海道関連の
電子書籍の撮影・執筆・編集・出版を行っています。
ケンコー・トキナー公式インストラクター No.021、
北海道ファンマガジン(https://pucchi.net/)Sクラス認定ライター。
 ケンコー・トキナー公式写真ブログでも連載中。
 Facebookはtitoce.saitoです。
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