SAMYANG AF18mm F2.8 FE レンズラボ 齋藤千歳の結論

SAMYANG AF18mm F2.8 FE レンズラボ 齋藤千歳の結論

※本ブログは、電子書籍レンズラボシリーズやレンズデータベースシリーズを結論部分のみを掲載したものです。
※解像力・ぼけディスク・周辺光量落ち・最短撮影距離の実写チャートによる詳細な評価などもご覧いただくにはぜひ完全版である電子書籍をご覧ください。

わずか約145gのよく写る広角
感心するほど小さく軽く、予想を裏切るくらいしっかりと解像する1本

 SAMYANG AF18mm F2.8 FEは、サムヤンのソニー Eマウント向け35mm判フルサイズ対応の小さくて軽いAFシリーズのレンズです。特にシリーズ名が設定されていないので、私はサムヤンの軽くて小さいソニー用AFレンズと呼んでいます。このシリーズは安くて小さくて軽いうえによく写るので、サムヤンのレンズのなかでもお気に入りなのですが、本レンズは8群9枚のうち、3枚が非球面、特殊低分散レンズが3枚、高屈折レンズを2枚と普通のレンズが1枚しか使用されていない、非常に豪華なレンズ構成です。そのおかげか、このシリーズのレンズでもっとも高価なレンズになってしまったようですが、それでも実勢価格は5万円程度で現実的なプライスといえます。
 軽くて小さくて、安くて高性能であれば、もちろんいうことなしです。しかし、レンズ設計の常識では、すべてを手に入れようと思うと、大きくて、重くて、高価という代償が必ずついて来ます。では、SAMYANG AF18mm F2.8 FEは、どのような選択をしたレンズなのでしょうか? 解像力に関していうならば、完全に予想以上、目を見張るような結果です。中央部分は絞り開放からほぼ完璧、周辺部分は開放付近ではあまいものの、絞ると向上し、F5.6前後でしっかり解像します。各種色収差の影響は少ないですが、歪曲は陣がさ型で発生します。また、周辺光量落ちは開放付近ではかなりしっかりと発生し、絞ってもその影響は消えません。さらにぼけに関していうなら、広角の18mmということもあり、明確に非球面レンズなどの影響を受けた玉ねぎぼけが発生しており、ぼけの美しさよりも解像力を重視した選択が明確にみてとれます。ぼけ以外の周辺光量落ちや歪曲はRAW画像を同時に撮影しておき、RAW現像時などの後処理で対応できます。わずか約145gという軽量コンパクトなレンズで35mm判フルサイズに対応、しかもF5.6程度まで絞れば18mmの広角で周辺部分までしっかりと解像するSAMYANG AF18mm F2.8 FEは非常に優秀なレンズです。広角レンズに悩んだら、ぜひ選択したい1本といえます。

●SAMYANG AF18mm F2.8 FE
レンズ構成:8群9枚
最大径×全長:Φ63.5×60.5mm
質量:約145g 
実勢価格:52,000円前後(税込) 
※2020年2月独自調べ

■レンズの詳細はこちらからどうぞ。アマゾンにリンクしています。

■電子書籍での完全版をぜひご覧ください。Amazon Kindleストアにリンクしています。
Kindle Unlimitedの読み放題にも対応しています。

 

齋藤千歳 Saito Titoce
 Amazon Kindle電子書籍『ぼろフォト解決&Foton電子写真集シリーズ』代表、
カメラ・写真ブログ「Boro-Photo」代表。
 月刊カメラ誌の編集者を経て、北海道・千歳市を拠点に車中泊で全道各地を撮影、
カメラ・写真および北海道関連の電子書籍の撮影・執筆・編集・出版を行っています。
カメラのキタムラさんが運営する
ShaSha(http://shasha.kitamura.jp/)および
PASHA STYLE(https://pasha.style/)にてレンズレビューを連載中。
学研さんのCAPA CAMERA WEB(https://capa.getnavi.jp/)でも
レンズレビュー連載およびカメラバッグレビュー連載を担当しています。
焦点工房(http://stkb.co.jp/)の連載コラム「レンズチャートは囁く」を公開中。
ケンコー・トキナー公式インストラクター No.021、
北海道ファンマガジン(https://pucchi.net/)Sクラス認定ライター。
 ケンコー・トキナー公式写真ブログでも連載中。
 Facebookはtitoce.saitoです。
 カメラ・写真および北海道関連のよろずお仕事承ります。