柴田誠・ホームグラウンド香港の撮影だからこそ大変なことが多いのよ!

横浜でPHOTO NEXT2018が開催される前日、6月4日に私の4冊目となる「Foton機種別作例集182 フォトグラファーの実写でレンズの実力を知る OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO in Hong Kong 機種別レポート」が発売になった。
ロケ地は香港、カメラ&レンズはオリンパスとアウェイ感の全くない組み合わせではあるのだが、それだけにマンネリは避けたいところ。「行ってみたい!」と読者の期待に応えながらも、香港迷には「こんな景色知らない!」と言わせてみたい、そんな矛盾を抱えての撮影が、香港ロケの難しさであり面白さでもある。
とは言え、同じ場所、同じ機材で撮影しても同じようには写らないのが写真の魅力の一つ。ストリートスナップなら、なおのこと。その瞬間にその場所にいないと永遠に出会わないシーンがあったりする。

ピークから見た香港の夜景。夜景は平日撮るに限る。特にセントラルはオフィス街なので、休日は灯りが乏しくしょぼい夜景になる。
OLYMPUS OM-D E-M10 Mark III/M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO/絞り優先AE(f5.6 1/5秒)/+0.3EV/200mm相当/ISO 3200/WB: オート/ ピクチャーモード:Vivid
写真は、掲載した「ピークからの夜景」のアザーカット。天気が悪かったらこんな風には撮れなかっただろうし、時間帯がズレていたらネオンの感じも違っていたに違いない。同じように見える夜景だが、大げさな言い方をすれば、この瞬間だから撮れたカットということだ。
しかし、久しぶに訪れたピークは観光客で大混雑だった。下りのピークトラムは長蛇の列だったし、バスも乗り切れないほど。みんなカメラやスマホで撮影していたが、どんな写真を撮っているんだろう。まあ、こんな切り取り方、狙い方をしている人は少ないとは思うのだが。

ホワイトバランスを電球に変えて撮影したカット。青い夜景にすることで印象は大きく変わってくる。粘れる場所なら設定を色々変えて撮るようにしている。
OLYMPUS OM-D E-M10 Mark III/M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO/絞り優先AE(f5.6 1/5秒)/ー0.3EV/32mm相当/ISO 3200/WB: オート/ ピクチャーモード:Vivid
フォトジャーナリスト・柴田誠 Makoto Shibata 香港をベースに活動するフォトジャーナリスト。 日本のカメラ雑誌の編集者を経て独立し、現在はアジアを中心に、 カメラショーやアートフェアなどを取材しレポートする。 取材のかたわらアジア各地のストリートスナップを撮り歩く、 自称ストリートスナイパー&ナイトフォトグラファー。 instagram club_kowloon/