LAOWA 60mm F2.8 2X ULTRA MACRO レンズデータベース 齋藤千歳の結論

LAOWA 60mm F2.8 2X ULTRA MACRO レンズデータベース 齋藤千歳の結論

※本ブログは、電子書籍レンズラボシリーズやレンズデータベースシリーズを結論部分のみを掲載したものです。
※解像力・ぼけディスク・周辺光量落ち・最短撮影距離の実写チャートによる詳細な評価などもご覧いただくにはぜひ完全版である電子書籍をご覧ください。

最大撮影倍率2倍のAPS-C用
90mm相当の画角が扱いやすいKマウントやAマウントにも対応

 2020年2月時点では、すでに「ラオワ、お得意の」というイメージもある最大撮影倍率2倍の60mmマクロレンズがLAOWA 60mm F2.8 2X ULTRA MACROです。APS-C用レンズですが、近接のマクロ撮影では35mm判フルサイズでの撮影にも対応します。本誌のP.4-5に掲載した作例は実際に35mm判フルサイズで撮影しました。実写の印象としては、細部までしっかりと解像しているようです。APS-C機に装着した際に90mm相当に画角になる60mmのAPS-C用マクロレンズはすでに定番に焦点距離といえます。実際の撮影時にも35mm判フルサイズ用の100mmマクロと変わらないイメージで使用できるのもよいところです。レンズ構成は7群9枚。対応するレンズマウントは、キヤノン EF、ニコン F、ソニーのEとA、ペンタックス Kに対応するものが、それぞれ用意されています。大きな特徴としては、ぼけの美しさを重視した14枚という豪華な絞り羽根が挙げられます。レンズデータベースは紹介順序がLAOWA 100mm F2.8 2X Ultra Macro APO(以下、100mm)と前後しましたが、世界初(※2018年1月現在、Venus Optics調べ)の最短撮影距離での最大撮影倍率2倍から無限遠までの撮影を可能にしたレンズです。
 本レンズの大きな特徴は、鏡筒内での全群繰り出しという構造でしょう。鏡筒内で全群が大きく動くため、最近接のマクロ撮影以外では鏡筒がレンズフードの役割を果すので、レンズフードが付属しないことにも納得です。近接撮影時には逆光に注意しましょう。また、シンプルな全群繰り出し方式は、信頼性が高く、レンズの軽量化やコスト面にもプラスですが、解像力のピークを合焦距離のどこかにおく必要があります。おそらくLAOWA 60mm F2.8 2X ULTRA MACROでは、マクロ撮影を優先して最短撮影距離の等倍マクロあたりに設定されているのでしょう。そのため、一般的な撮影距離での解像力チャートの周辺部の結果が弱いのも納得の結果です。全群繰り出しで最大撮影倍率2倍のマクロレンズは、このあたりの特徴を把握しておくと、より楽しめる魅力的な1本です。

●LAOWA 60mm F2.8 2X ULTRA MACRO
レンズ構成:7群9枚
最大径×長さ:約Φ70×95mm
質量:約503g※マウントによる変動あり
実勢価格:51,000円前後(税込) 
※2020年2月独自調べ

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齋藤千歳 Saito Titoce
 Amazon Kindle電子書籍『ぼろフォト解決&Foton電子写真集シリーズ』代表、
カメラ・写真ブログ「Boro-Photo」代表。
 月刊カメラ誌の編集者を経て、北海道・千歳市を拠点に車中泊で全道各地を撮影、
カメラ・写真および北海道関連の電子書籍の撮影・執筆・編集・出版を行っています。
カメラのキタムラさんが運営する
ShaSha(http://shasha.kitamura.jp/)および
PASHA STYLE(https://pasha.style/)にてレンズレビューを連載中。
学研さんのCAPA CAMERA WEB(https://capa.getnavi.jp/)でも
レンズレビュー連載およびカメラバッグレビュー連載を担当しています。
焦点工房(http://stkb.co.jp/)の連載コラム「レンズチャートは囁く」を公開中。
ケンコー・トキナー公式インストラクター No.021、
北海道ファンマガジン(https://pucchi.net/)Sクラス認定ライター。
 ケンコー・トキナー公式写真ブログでも連載中。
 Facebookはtitoce.saitoです。
 カメラ・写真および北海道関連のよろずお仕事承ります。