LAOWA 9mm F2.8 ZERO-D レンズデータベース 齋藤千歳の結論

LAOWA 9mm F2.8 ZERO-D レンズデータベース 齋藤千歳の結論

※本ブログは、電子書籍レンズラボシリーズやレンズデータベースシリーズを結論部分のみを掲載したものです。
※解像力・ぼけディスク・周辺光量落ち・最短撮影距離の実写チャートによる詳細な評価などもご覧いただくにはぜひ完全版である電子書籍をご覧ください。

絞り開放から高い解像力を発揮
軽くて、小さくて、安くて、高性能! APS-Cならでは魅力的な1本

 光学性能の高い超広角レンズを数多く発売しているラオワのAPS-C用超広角がLAOWA 9mm F2.8 ZERO-Dです。今回の検証に使用したソニー Eのほか、キヤノン EF-M、富士フイルム Xマウントに対応してモデルがそれぞれ用意されています。レンズ構成は10群15枚で2枚の非球面と特殊低分散レンズを3枚使ったぜいたくなものになっています。APS-C用レンズのため、ソニー用と富士フイルム用では13.5mm相当、キヤノン用で14.4mm相当の開放F2.8と明るい超広角レンズですが、注目したいのは、その大きさと質量です。大きさは約Φ60mm×53mm、質量はわずかに約215gしかありません。そして、実勢価格は65,000円前後となっています。開放F2.8の15mmを切るような超広角といえば、重くて大きくて、高いのが当たり前という印象ですが、LAOWA 9mm F2.8 ZERO-Dは、これらの常識を見事に裏切ったレンズになっています。
 そんなに軽くて、小さくて、安いレンズでは、しっかりとした性能が出ていないのではと思うところです。しかし、絞り開放から中央部分の解像力は非常に高く、周辺部分についても開放では周辺光量落ちの影響でコントラストが低く見えますが、絞るほどに改善されF8.0前後で画面全体の解像力がピークになります。絞り過ぎによる解像力低下がF16以降でみられるので注意が必要です。APS-C用なら、このサイズで画面全体でここまで高い解像力が得られるのかと、驚くレベルの性能といえます。ただし、ラオワのレンズ全体にその傾向が強いですが、周辺光量落ちにはあまり配慮されていないので、必要なシーンでは必ずRAW画像を撮影しRAW現像などの際に補正を行うことをおすすめします。また、ぼけの描写については、実焦点距離9mmのレンズなので、ぼけ描写、形ともにあまり期待できる印象ではありません。解像力重視のレンズだと考えてましょう。ただし、最短撮影距離は12cmと非常に寄れるので、この点を頭に入れておくと撮影の自由度が格段に上がります。APS-Cの特性を活かした軽くて、小さくて、安くて高性能な1本になっています。

●LAOWA 9mm F2.8 ZERO-D
レンズ構成:10群15枚
最大径×長さ:約Φ60×53mm
質量:約215g(マウントによる変動あり)
実勢価格:65,000円前後(税込) 
※2020年1月独自調べ

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齋藤千歳 Saito Titoce
 Amazon Kindle電子書籍『ぼろフォト解決&Foton電子写真集シリーズ』代表、
カメラ・写真ブログ「Boro-Photo」代表。
 月刊カメラ誌の編集者を経て、北海道・千歳市を拠点に車中泊で全道各地を撮影、
カメラ・写真および北海道関連の電子書籍の撮影・執筆・編集・出版を行っています。
カメラのキタムラさんが運営する
ShaSha(http://shasha.kitamura.jp/)および
PASHA STYLE(https://pasha.style/)にてレンズレビューを連載中。
学研さんのCAPA CAMERA WEB(https://capa.getnavi.jp/)でも
レンズレビュー連載およびカメラバッグレビュー連載を担当しています。
焦点工房(http://stkb.co.jp/)の連載コラム「レンズチャートは囁く」を公開中。
ケンコー・トキナー公式インストラクター No.021、
北海道ファンマガジン(https://pucchi.net/)Sクラス認定ライター。
 ケンコー・トキナー公式写真ブログでも連載中。
 Facebookはtitoce.saitoです。
 カメラ・写真および北海道関連のよろずお仕事承ります。