Irix 11mm f/4 Blackstone レンズデータベース 齋藤千歳の結論

Irix 11mm f/4 Blackstone レンズデータベース 齋藤千歳の結論

※本ブログは、電子書籍レンズラボシリーズやレンズデータベースシリーズを結論部分のみを掲載したものです。
※解像力・ぼけディスク・周辺光量落ち・最短撮影距離の実写チャートによる詳細な評価などもご覧いただくにはぜひ完全版である電子書籍をご覧ください。

広い風景を得意とする超々広角
細かな部分にまでこだわりを感じるヨーロッパ企画・設計の1本

 Irix 11mm f/4 Blackstoneは、焦点距離が11mmで画角が126度という超広角単焦点レンズです。Irix(アイリックス)レンズは、スイスで設計、韓国で生産されています。日本での正規代理店はKPI(ケンコープロフェッショナルイメージング)です。Irix 11mm f/4を含むアイリックスレンズの特長的な点は、ハウジング(外装や内部素材)が選択できるところ、Irix 11mm f/4は、内部はアルミニウム製で、キズ防止加工済みのマグネシウムハウジングに、アルマタイトメタル製フォーカスリング、UV加工済みの刻印を施した堅牢豪華なBlackstoneと、内部はアルニウム製構造の軽量ハウジングに滑り止め加工のフォーカスリング、標準的な刻印処理とした軽量のFireflyがそれぞれ用意されています。Irix 11mm f/4 Fireflyの実勢価格は94,000円前後です。対応するマウントはキヤノン EF、ニコン F、ペンタックス K用が用意されます。9枚羽根の円形絞りを採用、レンズ構成は10群16枚です。マニュアルフォーカスレンズではありますが、電子接点を装備し、カメラ本体と情報のやりとりが可能、Exifデータの記録はもちろん、絞りのコントロールはカメラ側からダイアル操作できる構造です。しかも、防塵防滴、リアフィルター用スロットを標準装備、ピントリング操作中にクリックで無限遠の位置を教えてくれるインフィニティクリック(工場出荷時調整済みだが微調整も可能)を装備するなど、使う人間=写真家の要望を踏まえた細部にまでこだわりを感じる完成度の高いものになっています。
 光学的な特徴としては、絞り開放からの中央部の高い解像力があげられます。また、周辺部分に関しては、超々広角のためか、像面湾曲傾向、すなわちピント面がやや歪曲しているようで、絞り開放でB1サイズの解像力チャートを撮影するような近接撮影では、これが強調され、周辺部分の解像力が実際よりも低くみえてしまいます。遠景の風景を絞って撮影すると、被写界深度はより広くなるので、チャートの結果よりもシャープな画像が得られる傾向です。近接よりも遠景のほうが得意なレンズといえます。

●Irix 11mm f/4 Blackstone
レンズ構成:10群16枚
最大径×長さ:約Φ100×118mm
質量:約820g(マウントによる変動あり)
実勢価格:123,000円前後(税込) 
※2020年3月独自調べ

■電子書籍での完全版をぜひご覧ください。
Kindle Unlimitedの読み放題にも対応しています。

■商品のチェックやご購入はこちらからどうぞ。

 

齋藤千歳 Saito Titoce
 Amazon Kindle電子書籍『ぼろフォト解決&Foton電子写真集シリーズ』代表、
カメラ・写真ブログ「Boro-Photo」代表。
 月刊カメラ誌の編集者を経て、北海道・千歳市を拠点に車中泊で全道各地を撮影、
カメラ・写真および北海道関連の電子書籍の撮影・執筆・編集・出版を行っています。
カメラのキタムラさんが運営する
ShaSha(http://shasha.kitamura.jp/)および
PASHA STYLE(https://pasha.style/)にてレンズレビューを連載中。
焦点工房(http://stkb.co.jp/)の連載コラム「レンズチャートは囁く」を公開中。
学研のCAPA CAMERA WEB(https://capa.getnavi.jp/)にも寄稿しています。
ケンコー・トキナー公式インストラクター No.021、
北海道ファンマガジン(https://pucchi.net/)Sクラス認定ライター。
 ケンコー・トキナー公式写真ブログでも連載中。
 Facebookはtitoce.saitoです。
 カメラ・写真および北海道関連のよろずお仕事承ります。