Canon EOS RP カメラデータベース 小山壯二の結論

Canon EOS RP カメラデータベース 小山壯二の結論

※本ブログは、電子書籍カメララボシリーズやカメラデータベースシリーズを結論部分を掲載したものです。
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EOS R の堅実な弟分
必要にして十分な性能を小型ボディにまとめ、お得感のある価格に

 兄貴分であるEOS R をひとまわり縮めたようなスタイルで、マウント径の大きさが際立つほど小型軽量な印象です。撮像素子のスペックからはEOS 6D Mark II との共通性が多く見られますが、まったく異なる特質をもったカメラといえるでしょう。RF マウントのレンズが使えるという大きなメリットにこそ注目すべきで、これはかけがえのないことです。多くのRF マウントのレンズをテストしてきて、すべてのレンズに感じたことは、同スペックのEF レンズよりも確実にワンランク上の解像力を、画面内で均質に得られるという実感です。新マウントという大きなターニングポイントによってレンズは確実に進化し、EOS RP はリーズナブルにその恩恵にあずかれるのです。 しかし、今回のテスト結果のすべてが歓迎できるものではありません。解像力、色彩で高感度の画質には過度の期待はできません。ISO 40000 までを常用感度とし、拡張感度でISO 102400 まで選択できるとはいえ、使うか否かは被写体を選ぶ結果です。数値を競うスペックより有用な基準をもったスペックの決定を望みたいところです。通常感度域では9段を越える上位機同等のダイナミックレンジを実現していることは歓迎できます。さまざまな性能に注目すれば多くの項目で、EOS Rよりもダウンしてはいますが画像から感じることはないでしょう。例えば画素数の3,030 万画素と2,620 万画素の差は情報量の差としては、極わずかで画像では判断できません。実用上体感できる差があるとすれば、連続撮影速度くらいではないでしょうか。EOS R の最高8コマ/秒に対し、最高5コマ/秒ですが、一瞬を切りとるスポーツの撮影などでなければほぼ無視できると思います。この微妙な差が納得できれば5 万円以上安価に入手できる高いコストパフォーマンスは見逃せません。EOS Rとの差額をショートフランジバックと大口径マウントが作り出す、高性能レンズの購入資金にまわすという選択肢もありでしょう。いちユーザーとして望むのは、大口径の高性能レンズ以外にも、EOS RP に似合う小型軽量の高性能レンズの発表に期待したいところです。

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小山壯二
株式会社プロテック代表取締役
いち早くデジタルフォトに取り組み、画像処理前とアナログ時代に培った撮影テクニックで、
精⼀杯写真を撮影する。テスト記事を中⼼にカメラ雑誌への執筆も数多くこなしてきた。
最近はパノラマ撮影など、写真に関する好奇⼼はいまもって旺盛。