SAMYANG 35mm F1.2 ED AS UMC CS 機種別レンズラボ 齋藤千歳の結論

SAMYANG 35mm F1.2 ED AS UMC CS 機種別レンズラボ 齋藤千歳の結論

※本ブログは、電子書籍レンズラボシリーズやレンズデータベースシリーズを結論部分を掲載したものです。
※解像力・ぼけディスク・周辺光量落ち・最短撮影距離の実写チャートによる詳細な評価などもご覧いただくにはぜひ完全版である電子書籍をご覧ください。

絞り選びが楽しくなる
開ければフワッと、絞ればカリッとを実現する標準単焦点

 数々のレンズテストを行って、レンズの性能や個性を知る楽しみは、そのレンズの弱点を見つけることではない。各絞り値やズームごとに変化するレンズの個性を撮影者が把握しておくことで、それぞれのレンズの個性を引き出して、写真撮影をより楽しむのが最大の目的だ。
 今回、実写とチャートを撮影したSAMYANG 35mm F1.2 ED AS UMC CSは、APS-Cセンサー向けのレンズで、Canon M、FUJIFILM X、SONY E マウント用のものが各種用意されている。SONY E マウントのAPS-C に装着した際の画角は、53mm相当の標準レンズとなり、開放F値がF1.2 と非常に明るいのが特徴だ。多くのサムヤンレンズがそうであるように、AF 機構を搭載しないマニュアルフォーカスレンズである。気になる描写については、解像力は開放のF1.2からF1.4で中央、周辺ともにフワッとしたやわらかい描写が特徴。F2.0からF4.0では中央部分はシャープで周辺の少しやわらかい描写が楽しめる。F5.6以降では画面全体がシャープになり、F8.0前後が解像力のピークとなっている。また、大口径レンズならではの周辺光量落ちは、F2.0まで絞るとほぼなくなる。画像周辺で見られる口径食によるの玉ぼけの変形もF2.0 まで絞ると解決する。
 本レンズは、絞りを開ければフワッと、絞っていくとカリッとする、とても素直で優秀なレンズといえる。F1.2からF2.0までは全体にふんわりとして周辺光量落ちも発生する描写。F2.0からF4.0くらいまでは、中央部はシャープで周辺がややあまい表現。F2.8くらいまでは周辺光量落ちも表現に取り入れられる。F5.6以降では画面全体をシャープに表現してくれる。ただしF16では解像力が低下するので注意したい。各絞り値でそれぞれの描写が楽しめるこの53mm相当の明るい標準レンズは、個性を把握していれば、絞り選びの楽しい撮影の相棒になってくれるはずだ。

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齋藤千歳 Saito Titoce
 Amazon Kindle電子書籍『ぼろフォト解決&Foton電子写真集シリーズ』代表、
 カメラ・写真ブログ「Boro-Photo」代表。
 月刊カメラ誌の編集者を経て、カメラ・写真および北海道関連の
電子書籍の撮影・執筆・編集・出版を行っています。
ケンコー・トキナー公式インストラクター No.021、
北海道ファンマガジン(https://pucchi.net/)Sクラス認定ライター。
 ケンコー・トキナー公式写真ブログでも連載中。
 Facebookはtitoce.saitoです。
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