Canon EOS R カメラデータベース 小山壯二の結論
Canon EOS R カメラデータベース 小山壯二の結論
※本ブログは、電子書籍カメララボシリーズやカメラデータベースシリーズを結論部分を掲載したものです。
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キヤノンのNEWスタンダード
ミラーレスボディにキヤノンマインドを詰め込んだ新標準機
満を持して発売された35mm 判フルサイズミラーレス 一眼EOS Rは、スペックをみればEOS 5D Mark Ⅳのミラーレス版であり、特徴のない機種とも受けとれますが、言い換えるとキヤノン集大成を具現化したカメラです。今回の画像性能テストでは、ほぼEOS 5D Mark Ⅳと変わらぬ結果で、使い勝手を含めOVF(光学ファインダー)かEVF(電子ファインダー)かに起因する違いしかありませんでした。撮影結果をファインダーで確認しながら撮影するEVFのEOS Rは、露出補正や絞りの決定、色彩の選択などをその場で確認でき、より積極的に撮影時に絵作りが可能です。一方OVFは被写体に対峙している現実感が強く、「自分はフレーミングとシャッターを担当するから後はカメラに任せた」的な撮影マインドとなります。両者に善し悪しはなくユーザー自身の好みや判断ですが、類似スペックの2台の中堅カメラが存在する意味はここにあると感じます。買い換えや新規購入の判断は、この点に注目して実機を手にして検討してもらいたいと思います。
画質面では、常用感度がISO 40000となり、スペック表ではEOS 5D Mark Ⅳに比べ1/3段高くなりましたが、実写で性能向上は確認できませんでした。特筆すべきはすべてのISO感度で色彩と明るさの変動がない点です。一見当たり前のようですがTTLの値で中間グレーの明るさがISO感度によって変動したり、AWBの結果が露出補正にも影響し変動したり、色彩のバランスが一定しないことはよくあります。しかし、キヤノンは伝統的にISO感度と明るさに関係なく、常に一定の結果を出す点は高く評価できます。また、EOS RはEOS 5D Mark Ⅳに比べて、DIGIC 8と映像エンジンが2世代新しくなっていることが大きいのかもしれませんが、全体的に動作にモタつきはなく、きびきびとした頼れるカメラといった印象です。
現在のところは没個性的な印象が拭えませんが、ミラーレス一眼になり大口径マウントとショートフランジバックの新しいRFレンズ群によって、EOS Rシステムは少しずつ成熟し個性を身につけてゆくと思われます。
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小山壯二 株式会社プロテック代表取締役 いち早くデジタルフォトに取り組み、画像処理前とアナログ時代に培った撮影テクニックで、 精⼀杯写真を撮影する。テスト記事を中⼼にカメラ雑誌への執筆も数多くこなしてきた。 最近はパノラマ撮影など、写真に関する好奇⼼はいまもって旺盛。