ZEISS Loxia 2.4/85 機種別レンズラボ 齋藤千歳の結論
ZEISS Loxia 2.4/85 機種別レンズラボ 齋藤千歳の結論
※本ブログは、電子書籍レンズラボシリーズやレンズデータベースシリーズを結論部分を掲載したものです。
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コンパクトで高画質なMFレンズ
MFレンズの伝統を受け継ぐミラーレス一眼時代のポートレートレンズ
ZEISS Loxia 2.4/85は、ソニー Eマウント用、35mm判フルサイズセンサー対応のマニュアルフォーカスレンズだ。レンズ構成は7群7枚。レンズのデザインは、1930年にZEISSでルードビッヒ・ベルテレ博士が開発したSonnar(ゾナー)タイプ。明るく高コントラストなレンズが設計しやすいという。開放F値は2.4とやや平凡な数値。高品質な金属鏡筒を採用した質量は約600gとずっしりした重みを感じる。ただし、鏡筒の最大径は約62mmとスリムな設計だ。フィルター径もLoxiaで共通の52mm径となっている。また、動画撮影のために絞りリングのクリックを解除するデクリック機構を搭載するなど、最新のミラーレスデジタルカメラに対応した設計である。
各種撮影結果を見てもLoxia 2.4/85は非常に優秀なレンズだ。しかし、多くの方が気にするのはBatis 1.8/85との違いだろう。筆者は、BatisもLoxiaも目指す画質はZEISSレンズ全体で共通、そのアプローチが異なるシリーズだと思っている。アプローチが異なる大きな理由はAFだと考えている。最新のAFレンズは、MFレンズの駆動部分をモーターなどに置き換えたものではない。AFで高い性能を発揮するために基本設計から異なる。MF用に設計されたレンズを基本に進化させても、高性能・高画質のAFレンズになりにくい。そこでZEISSは、長いMFレンズの伝統を引き継ぎながら、小型化され動画撮影などにも対応するミラーレス一眼用として、コンパクトでMF前提に設計されたLoxiaシリーズをラインアップ。同時にZEISSの光学設計ノウハウや思想はそのままに、AFでの高画質・高性能を目指したBatisシリーズをラインアップしたのだろう。極端にいうならば、トラディショナルな技法で小型化したLoxiaと老舗のアバンギャルドなAFモデルのBatisといえる。ただし、どちらもZEISSが最新モデルとして、ユーザーに提供するZEISS品質の描写を実現しているわけだ。そのため描写性能は似たような傾向を示すが、筆者個人は85mmはLoxiaのほうが、世にいうZEISSっぽさがわずかに強いように感じた。
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齋藤千歳 Saito Titoce Amazon Kindle電子書籍『ぼろフォト解決&Foton電子写真集シリーズ』代表、 カメラ・写真ブログ「Boro-Photo」代表。 月刊カメラ誌の編集者を経て、カメラ・写真および北海道関連の 電子書籍の撮影・執筆・編集・出版を行っています。 中小企業庁委託事業「ミラサポ」派遣専門家 ケンコー・トキナー公式インストラクター No.021、 北海道ファンマガジン(https://pucchi.net/)Sクラス認定ライター。 ケンコー・トキナー公式写真ブログでも連載中。 Facebookはtitoce.saitoです。 カメラ・写真および北海道関連のよろずお仕事承ります。