SAMYANG XP85mm F1.2 機種別レンズラボ 齋藤千歳の結論

SAMYANG XP85mm F1.2 機種別レンズラボ 齋藤千歳の結論

※本ブログは、電子書籍レンズラボシリーズやレンズデータベースシリーズを結論部分を掲載したものです。
※解像力・ぼけディスク・周辺光量落ち・最短撮影距離の実写チャートによる詳細な評価などもご覧いただくにはぜひ完全版である電子書籍をご覧ください。

安くて軽いとすら思う大口径
5,000万画素オーバー時代のF1.2としては、かなりお買い得ともいえる

 SAMYANG XP85mm F1.2は、2017年1月の発売時点から5,000万画素・8K動画時代への対応を明記したレンズです。最大径が約93.0mm、全長が約98.4mm、質量が約1,050gと巨大でした。実際「いくら開放F値が1.2でも、この大きさ、重さ、そして10万円超える実勢価格は……」と思ったのも事実です。そして2018年末、多くのハイエンドモデルが4,000万画素を越え、キヤノンがRF、ニコンがZと、それぞれ35mm判フルサイズミラーレス一眼用レンズを発表・発売しました。ミラーレス化でボディはコンパクトになり、システム全体も軽く小さくなると期待していた方も多いでしょう。現実はスタート時点から5,000万画素オーバーを前提としたレンズは、ほぼすべて大型化、高額化したのです。例えば、キヤノンのEF50mm F1.2L USMは142,000円前後、質量約590gだったのに対して、RF50mm F1.2 L USMは270,000円前後で質量約950gと「いきなり倍ですか!」といいたくなる状況です。85mmF1.2はまだ発売されていませんが、EF85mm F1.2L II USMが182,000円前後で約1,025gであることを考慮すると、軽くて安くなる可能性はかなり低いと思われます。また設計時点から5,000万画素を越えることが考慮された新世代の単焦点レンズに共通する特徴は、開放F値が明るくても中心部分は絞り開放から高解像、さらに絞ると周辺までもが中心部分に近いレベルで解像する高性能ぶりです。歪曲も少ないものが多いといえます。XP85mm F1.2は、純正と異なり、AFを搭載しないMFレンズですが、今回のテスト結果を見る限り、新世代単焦点の特徴を十分に備えています。唯一の弱点はピント合わせです。レンズだけの問題とはいえませんが、光学ファインダーだけで開放F1.2のピント合わせを行うのはかなりの慣れが必要です。ライブビューでのピント位置の拡大確認やピーキングの併用をおすすめします。XP85mm F1.2は、5,000万画素オーバーを当たり前とした新世代単焦点として考えると、安くて軽いとすらいえる状況になっているのです。

■電子書籍での完全版をぜひご覧ください。

■商品の購入はぜひ、こちらから。

 

齋藤千歳 Saito Titoce
 Amazon Kindle電子書籍『ぼろフォト解決&Foton電子写真集シリーズ』代表、
 カメラ・写真ブログ「Boro-Photo」代表。
 月刊カメラ誌の編集者を経て、カメラ・写真および北海道関連の
電子書籍の撮影・執筆・編集・出版を行っています。
ケンコー・トキナー公式インストラクター No.021、
北海道ファンマガジン(https://pucchi.net/)Sクラス認定ライター。
 ケンコー・トキナー公式写真ブログでも連載中。
 Facebookはtitoce.saitoです。
 カメラ・写真および北海道関連のよろずお仕事承ります。