Canon RF50mm F1.2 L USM レンズデータベース 小山壯二の結論

Canon RF50mm F1.2 L USM レンズデータベース 小山壯二の結論

※本ブログは、電子書籍レンズラボシリーズやレンズデータベースシリーズを結論部分を掲載したものです。
※解像力・ぼけディスク・周辺光量落ち・最短撮影距離の実写チャートによる詳細な評価などもご覧いただくにはぜひ完全版である電子書籍をご覧ください。

我慢しなくてもよい大口径
重さ・大きさに手がなじむには少し慣れが必要

 満を持して登場した35mm判フルサイズミラーレスシステム、RFレンズシステムの真価が問われるRF50mm F1.2 L USMは、最高級標準レンズにふさわしいF1.2と超大口径で超弩級レンズです。EOS Rに装着し手にした印象は、小型化するボディと1Kg近いレンズのバランスは決してよいとはいえません。最短と無限遠にピントを移動させると、レンズ全長に変化はないものの、大きな質量が手のなかで移動している感覚がはっきりと感じられました。インナーフォーカスでは、レンズの重心の変化を感じることはほぼはなく、本レンズではじめての経験です。外観は巨大なサイズと重量に似合わず、前玉は小さく拍子抜けした印象は否めません。描写性能とAFスピードを両立させるための決断として、多くのレンズを移動させるため可能な限り、軽く強固に作り上げた設計意図がうかがえます。本格的なバイワイヤのピントリングも上質なメカニカルに勝り、適度で一定した抵抗感と左の指先で操る心地よさがあります。機械的なストップがない点は容易に慣れました。またデジタルカメラでレンズ性能を語るうえで大きな要因となるレンズ収差補正の初期設定値は、色収差と回折補正を合わせ細部描写を改善する「デジタルレンズオプティマイザー」(以下DLO)は「ON」、「歪曲収差補正」は「OFF」、「周辺光量補正」は「ON」となっています。特にDLOはEOS Rから初期設定で「ON」となり、解像力評価によい影響をあたえていると想像できます。演算能力の高いEOS R画像エンジンの恩恵といえるでしょう。撮影結果全般は、いままで見てきた明るいだけのF1.2レンズとはまったくの別物でした。適切なレンズ収差補正と相まって、明るさ以外を我慢しなくてもよい超大口径レンズであり、高額なのも仕方ないかと思えます。RFレンズは短いフランジバックと大きなレンズマウント口径により、レンズ設計上の自由度が格段に増したと聞いています。RF50mm F1.2 L USMは、その技術を示すフラッグシップの役割を十分に果たしていますが、小型化するカメラボディにマッチする新たなレンズの登場にも期待が膨らみます。

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齋藤千歳 Saito Titoce
 Amazon Kindle電子書籍『ぼろフォト解決&Foton電子写真集シリーズ』代表、
 カメラ・写真ブログ「Boro-Photo」代表。
 月刊カメラ誌の編集者を経て、カメラ・写真および北海道関連の
電子書籍の撮影・執筆・編集・出版を行っています。
ケンコー・トキナー公式インストラクター No.021、
北海道ファンマガジン(https://pucchi.net/)Sクラス認定ライター。
 ケンコー・トキナー公式写真ブログでも連載中。
 Facebookはtitoce.saitoです。
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