齋藤千歳の 来た、見た。撮った! 第1回 千歳市・美々公園 ひらめき橋から撮る
第1回 千歳市・美々公園 ひらめき橋から撮る
ぼろフォト解決シリーズ&Foton電子写真集での、カメラやレンズの作例を撮影するために日夜、さまざまな場所に撮影に行っております。そして、そのすべてが「大成功!!」というわけではないのが事実です。しかし、それでも新たな被写体や撮影地を求めて、まだ見ぬフォトジェニックな聖地を探し続けるのは、フォトグラファーに課せられた呪いともいえるでしょう。ガンダーラ~♪。
「来た、見た。撮った!」では、そんな行ってみて撮った撮影地をあたりも、はずれも、そのままに紹介していきます。第1回は、千歳市・美々公園 ひらめき橋です。
新千歳空港からならクルマで約10分です。国道36号線を苫小牧方面に走ると左手に千歳科学技術大学の標識が見えてきますので、千歳科学技術大学方面に向かいます。そこから分岐を研究棟方面にしばらく走ると、左手に千歳科学技術大学・研究棟が見え、右手に美々公園のひらめき橋に続く、浪漫通りの入り口が見えてきます。
ひらめき橋は、千歳沼につながる美々川の上をまたぐように、千歳科学技術大学・研究棟と本部棟をつないでいます。ちいさな渓谷のような地形になっているため、近くに生えている木々の樹冠近くを水平方向に観察したり、上から見下ろしたりすることが可能な高さの関係になっています。
ここが重要です。これを意識して1枚目のエゾリスの写真を再度ご覧ください。木の枝の上にいるエゾリスの背中が写っています。そうです。普段は、下から見上げる位置関係にあるエゾリスなどを上から見下ろす位置関係で撮影できるのです。小鳥などを撮影する方だと、これがどんなすばらしいことかわかってもらえるかと思います。
天気に関係なく、昼間の屋外では基本的に太陽の光を利用し撮影しているので、太陽のある空側がわれわれのいる地上よりも明るいが基本です。しかし、森や林のなかに入って、自分よりも高い位置にいるエゾリスや小鳥などを見上げて撮影すると基本的に逆光となることが多いわけです。そのため、被写体が逆光でシルエットになり黒つぶれしてしまうこともとても多いのです。もし、太陽の光が拡散されるくもりの日であっても、背景がまっ白になってしまいます。
しかし、水平や見下ろす方向で木の上にいる小鳥やエゾリスを撮影できると、順光でしっかりと毛並みや羽根の色が観察できる光で、しかも背景がまっ白に白とびする心配も格段に減少します。さらにひらめき橋は橋から木までの距離が近く、うるさいくらいに鳥の鳴き声が聞こえる環境なので、さまざまな鳥が現れ、シャッターチャンスに恵まれた環境といえます。
私が訪れたときは、たまたまエゾリスが出迎えてくれましたが、追い切れないものも含め、多くの小鳥がさえずっていました。鳥やエゾリスなどを現れてくれないと、シャッターチャンスは訪れないという問題点はありますが、いつもと違った角度から、小鳥たちを撮影できるという点では、優れた撮影ポイントだと考えています。くもりの日などは、見下ろし角度で撮影できるので、背景がまっ白にならないという点でもありがたい撮影ポイントです。また、なにも被写体が訪れてくれなかったときは、橋の両脇にいるキタキツネの銅像を撮影するのもありでしょう。クルマでのアクセスも容易で、新千歳空港から約10分という立地もよいので一度寄ってみてはいかがでしょうか。
齋藤千歳 Saito Titoce Amazon Kindle電子書籍『ぼろフォト解決&Foton電子写真集シリーズ』代表、 カメラ・写真ブログ「Boro-Photo」代表。 月刊カメラ誌の編集者を経て、カメラ・写真関連の電子書籍の撮影・執筆・編集・出版を行っています。 ケンコー・トキナー公式写真ブログでも連載中。 Facebookはtitoce.saitoです。 カメラ・写真のよろずお仕事承ります。5月には道の駅・ウトナイ湖で写真展示を予定しています。