小山壯二のカメラの“!?”写真印刷・プリントのカラーマネージメント! 現在みなさんはどうしていますか? その2

その1では、最新のMacOSでCanonインクジェットプリンターを使った場合の、プリンターCMSにおける問題点をお知らせしました。今回は「なんとなくうまくいった」方法を紹介します。
中身は全く判っていないのですが、あくまで結果論で良い感じです。

初めに色彩に関するコントロールがなくなった状態を確認しておきます。

いつからこのようになったかは判りませんが、以前のMacOSとプリンタドライバーとは異なり、設定画面に「カラーマッチング」の項目も色彩調整のための「カラーオプション」も存在しません。
この状態ではドライバが用意した純正用紙以外は使用を拒否しているように見えます
お気に入りの用紙で作品作りや、安価な用紙を惜しげも無く使うに、コントロールが出来ないのでとても残念です。

そこで、プリンタのキャリブレーションツールを使ってプロファイルを制作してみました

「calibrite カラーチェッカースタジオ(旧X-Rite i1Studio)」の画面です。詳細はメーカーのHPで確認して下さい

こんな感じで2枚のチャートを出力して測色し、ICCプロファイルを作成しプリント時に使用します

今回の実例は、印刷品質はまあまあで光沢紙で100枚 2300円程度(Amazon)という、超お買い得な用紙を使ってテストしました

プリント用のICCプロファイルは、以前ではプリンタドライバーの「カラーマッチング」で指定できましたが、現在はPhotoshopのプリント時に設定するのが最もポピュラーな方法になっています。

プリント用ICCプロファイルを制作する事はそれなりに面倒な作業です。用紙ごと、プリンターごとに制作する必要があるため、多くの用紙種類を使われる場合は大変です。

効果を比較すると以下のようになります

上の2つは左がICCプロファイル無し(用紙はCanon 写真用紙 スタンダードに設定)、右がPhotoshopでICCプロファイルを指定(用紙はCanon 写真用紙 スタンダードに設定)
下は元のデータです。

ICCプロファイル無しでは明らかに赤みが強く、破り捨てたい色彩です。どこにも色彩調整出来るポイントが無いため、この用紙とプリンタの組み合わせではこれ以上のことは出来ません。データをプリントのクセに合わせて調整することは、画像の劣化に繋がり色彩やグラデーションに破綻が出るため、絶対にしたくありません。
右は全体にすこし濃いのですが色彩の偏りも少ないので、作品としてとことん追い込む場合を除いて満足できる結果です。

まだMacのAirPrintとプリンターの連携は何にも判っていませんが、上記の組み合わせでは正しくICCプロファイルが制作できているようです。
たまたまなのか、色域は最大限使えているのか、不明な点はほぼそのままですが、ひとまずほっと一安心です。

 


小山壯二
株式会社プロテック代表取締役
いち早くデジタルフォトに取り組み、画像処理前とアナログ時代に培った撮影テクニックで、
精⼀杯写真を撮影する広告カメラマン。テスト記事を中⼼にカメラ雑誌への執筆も数多くこなしてきた。
最近は語られなくなっているデジタルフォトの基礎など、深掘り小山壯二として使命を感じて活動。
写真に関する好奇⼼はいまもって旺盛。

小山壯二のカメラの“!?”写真印刷・プリントのカラーマネージメント! 現在みなさんはどうしていますか? その1
【執筆記事紹介】「【大人可愛い湯たんぽ発見】ウエットスーツ専門メーカーのネコ型国産湯たんぽが最高!柔らかでいつでもいっしょにいたくなる」を特選街WEBで執筆【こんな記事担当しました!】