よくわかっていない「介護の仕事」を現場で働く方の声も交えて紹介

今後ますます必要な方が多くなり、マンパワーも不足しているとは聞いていますが、筆者なんかはよくわかっていない「介護の仕事」。
「広報たきかわ 8月号」の「特集 介護のしごと」では現場で働く方の声も交えて紹介しているので、転載して紹介します。

以下「広報たきかわ 8月号」より。

特集 介護のしごと

日本では約210 万人の方が、介護職員として活躍しています。老齢や心身の障がいなどで援助が必要な人を日々支える方々は、これからの社会においても欠かせない存在です。今回の特集では、介護業界にまつわるお話や現場で働く方の声を紹介します。

介護需要の増加

平均寿命が延び長寿社会となった現代、介護は誰にでもどの家庭にも起こり得る大きな課題といえます。
滝川市は新規要介護認定者の平均年齢が81.8歳と算出されており、75歳を超えたあたりから、要介護認定者数は増加する傾向にあります。また、75歳以上の人口割合についても、引き続き増加すると推測されており、それに伴って介護の需要も増加することが予想されます。

介護職員確保の必要性

厚生労働省が発表した資料によると、2040年度に介護職員は69万人不足すると予想されています。少子高齢化などで、今後も人口に占める要介護者・要支援者の割合は増加が見込まれるため、介護職員を確保することは重要な課題といえます。

介護職員の役割

一言に「介護」といっても、人によって支援する内容は異なります。利用者一人ひとりに寄り添った介護を提供するためには、介護分野や医療分野の方が互いに連携し合いながらサービスを提供する必要があります。
下図は利用者に対し、各分野が担う役割を表したものです。介護職員は現場の最前線で利用者を支援する立場といえます。

介護職員の職場・資格

介護サービスは、自宅で生活を送っている方や、施設に入所されている方がさまざまな形で利用しています。
介護職員は、利用者一人ひとりの実情に合わせて介護サービスを提供することが必要なため、働く場所や勤務形態などは勤め先によって異なります。
また、介護業務には専門性が求められるものが多く存在します。このことから、「なにか特別な資格を持っていなければ、介護職員として働くことはできないのではないか?」と考える方もいるのではないでしょうか。介護職員の代表的な資格として挙げられるものの一つに、「介護福祉士」という国家資格があります。それ以外にも、介護職員として業務に携わるうえで役に立つ・必要とされる資格などは段階的に存在し、身体介護をはじめ一定の実務経験や資格がなければ従事できない業務もあれば、未経験・無資格でも従事できる業務もあります。
下記の図は、介護職の主な資格とそれぞれが従事できる業務を簡略的に表した図です。

介護職の主な資格およびそれぞれの活躍の場

介護を知りたい方・学びたい方へ 入門的研修

滝川市では、介護未経験者が介護に関心を持つきっかけとして、日常生活で役立つ介護の基本知識・技術などを楽しく学べる入門的研修を実施します。

【対  象】市内在住または市内へ通勤、通学されている中学校卒業以上の方で、全日程受講できる方
【定 員】20 人
【受 講 料】無料
【申込期限】8月31 日㈬
【申 込 先】滝川市社会福祉協議会(℡ 24-8640)
【申込方法】電話・二次元コードからお申し込みください。

※毎回、テキストの指定の部分を読んで、簡単なレポートを提出していただく自宅学習があります。

現場の声 介護業界で活躍するお二人にインタビュー!

介護業界に入った理由は?

グループホームに勤務する友人がいて、利用者さんとの会話で面白かった話などを聞かせてもらったとき、この業界に関心を持ちました。滝川市に引っ越してくるまでに、介護職員としていろんな経験を積んできましたが、この業界でまだ挑戦していないことにチャレンジしてみたいと思い、現在は訪問介護の現場で働いています。

仕事で大事にしていることは?

訪問介護は、一人ひとりと接する時間を長くとれるのが魅力だと感じています。利用者さんの相談に乗ったり、楽しくお話したりする中で、何か困っていることはないか、体調面で不安はないかなど、ささいなことでも気付けるよう日頃から心掛けています。困ったときには気軽に相談できる、利用者さんにとって身近な存在でありたいですね。

介護業界に入った理由は?

祖父が特別養護老人ホームの施設長、父が消防士、伯母が看護師と身近で人命に関わる仕事をしている人が多く、昔から「自分もこの手で、何か人を助ける職に就きたい」という漠然な思いがありました。この業界を選んだのは、幼いころから介護施設のレクリエーションなど、楽しい行事に連れて行ってくれた、祖父の影響が大きいですね。

今の職場でやりがいを感じる瞬間は?

現在勤めている緑寿園は、特別養護老人ホームであるため、入所者は介護度の重い方が多いです。自分で起き上がれなかったり、お風呂に入れなかったりする方々の介助は大変なことも多いですが、支える中で「ありがとう」と声掛けをしていただいたときはとてもやりがいを感じますね。感謝の言葉を励みに、これからも頑張ろうと思えます。

その人らしさ実現するには

取材にご協力いただいた東辻さん、梅津さんのお話はどれも勉強になることばかりでした。その中で共通して話題となったことがあります。それは「介護を利用する方一人ひとりのこだわりを、できるかぎり叶えてあげることが介護福祉士の大変さであり、やりがいでもある」ということです。
これからの時代は、AIや介護用ロボットを活用して業務の効率化・負担の軽減を図る動きが全国的に加速していくとされています。しかし、どれだけ時代が変わろうとも、介護を利用するのは「人」であり、人は多かれ少なかれ「こだわり」をもって日々の生活を送っています。そのこだわりを聞き、可能なかぎり叶えてあげられるのはAIやロボットではなく、現場にいる介護職員の皆さんです。
介護福祉士であることに自信と誇りをもって、一人ひとりと真剣に向き合う姿に感銘を受けた一か月でした。
今回の特集を機会に、皆さんも「介護のしごと」について、考えてみませんか?
【特集】 介護のしごと おわり

以上「広報たきかわ 8月号」より。

2040年には69万人も不足するという介護の手。いまから、さまざまな方法を考えておく必要があるのでしょう。

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