毒鏡 DULENS APO 85mm F2 解像力・ボケ実写チャート性能テスト結論
毒鏡 DULENS APO 85mm F2 解像力・ボケ実写チャート性能テスト結論
高級マニュアルレンズの味わい
周辺部分まで高い解像力、最高峰レベルのなめらかで美しいぼけが魅力
毒鏡 DULENSをご存じでしょうか。筆者はよく知りませんでした。毒鏡 DULENSを手がけるのは、中国・瀋陽にある若明(じゃくめい)光学だそうです。2019年成立の中国新興系レンズブランドになります。高解像度のシネマレンズの開発を得意とし、OEMとして海外向けレンズの開発・製造を行っているそうです。この若明光学が画期的な高解像度を目指し開発したのが毒鏡 DULENS APO 85mm F2だといいます。具体的にレンズの内容をみていくと、ゾナータイプの85mmで開放F値は2.0。レンズ構成は6群7枚、異常分散レンズ2枚、高屈折率レンズ1枚、ランタノイド光学ガラス3枚を含む、APO(アポクロマート)構造で色収差を低減しているといいます。AFなどを搭載しないフルマニュアルレンズです。金属パーツを多用したレンズデザインは美しく、写真のブラックだけでなく、グレー、シルバーの3色が用意されます。対応するマウントはキヤノン EFとニコン Fです。今回はマウントアダプター SHOTEN NF-SEを使い、Sony α7R IIIでテストしました。開放F値は2.0と控えめですが、レンズサイズは最大径約65mm、長さ約59mm、質量約365gと最新の高解像度レンズとしてはかなりコンパクトです。
画面全体に高解像度を目指すレンズとしては、少しコンパクト過ぎるのではと思いながら、周辺部の解像力をみて驚きました。絞り開放から、非常にシャープな中央部に比べると、ソフトになりますが、しっかりと解像しています。中央部は絞り開放からカリカリにシャープ、周辺部は絞るほどにコントラストが上がり、シャープになっていくイメージです。また、ぼけについても、筆者がテストしたレンズのなかでも最高峰レベルといえます。実勢価格は77,000円前後と決して安くはありません。しかし、その描写は10万円越えが当たり前の高級マニュアルレンズをほうふつさせます。まさに甘い毒のように撮影者をとりこにするレンズといえるでしょう。若明光学の毒鏡 DULENS、また目を離せない中国新興系レンズブランドが増えたといえます。今後もとても楽しみです。
※本ブログは、電子書籍レンズラボシリーズやレンズデータベースシリーズを結論部分のみを掲載したものです。
※解像力・ぼけディスク・周辺光量落ち・最短撮影距離の実写チャートによる詳細な評価などもご覧いただくにはぜひ完全版である電子書籍をご覧ください。
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●毒鏡 DULENS APO 85mm F2
レンズ構成:6群7枚
最大径×長さ:約Φ65×59mm
質量:約365g(ニコン Fマウント)
実勢価格:77,000円前後(税込)
※2020年9月独自調べ
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齋藤千歳 Saito Titoce Amazon Kindle電子書籍『ぼろフォト解決&Foton電子写真集シリーズ』代表、 カメラ・写真ブログ「Boro-Photo」代表。 月刊カメラ誌の編集者を経て、北海道・千歳市を拠点に車中泊で全道各地を撮影、 カメラ・写真および北海道関連の電子書籍の撮影・執筆・編集・出版を行っています。 カメラのキタムラさんが運営する ShaSha(http://shasha.kitamura.jp/)および 学研さんのCAPA CAMERA WEB(https://capa.getnavi.jp/)でも レンズレビュー連載およびカメラバッグレビュー連載を担当しています。 特選街web(https://tokusengai.com/)でカメラ関連および各種レビューを執筆。 焦点工房(http://stkb.co.jp/)の連載コラム「レンズチャートは囁く」を公開中。 PASHA STYLE(https://pasha.style/)にてレンズレビューを連載中。 ケンコー・トキナー公式インストラクター No.021、 北海道ファンマガジン(https://pucchi.net/)Sクラス認定ライター。 ケンコー・トキナー公式写真ブログでも連載中。 Facebookはtitoce.saitoです。 カメラ・写真および北海道関連のよろずお仕事承ります。