LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer 解像力・ボケ実写チャート性能テスト結論

LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer 解像力・ボケ実写チャート性能テスト結論

世界最広角135度の9mm

ラオワの高い技術力を証明する35mm判フルサイズ対応の超々広角

LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer

2020年8月7日にサイトロンジャパンの日本国内正規取扱いでLAOWA 9mm F5.6 W-Dreamerが発売されました。最大の特徴は35mm判フルサイズ対応のミラーレス一眼用として設計された非魚眼レンズで現在世界一画角の広い超々広角レンズであることです。画角は135度と驚異的な数値になっています。そのうえ、レンズの大きさは最大径約62.4mm、長さ約66mm、質量は約350gと非常にコンパクトで軽量です。ライカ M、ライカ L、ニコン Z、ソニー FEマウント用のモデルがそれぞれ用意されています。10群14枚で、非球面レンズ2枚と特殊低分散レンズ2枚を採用したレンズ構成です。絞り羽根の枚数は5枚となっています。また、最短撮影距離は脅威の約12cmで、最大撮影倍率はなんと0.21倍と0.2倍を超えている点も注目のポイントです。
世界でもっとも画角の広い超々広角の9mmを発売したLAOWAは2013年に中国・安徽省合肥で起業した中国新興系レンズメーカーのひとつです。35mm判フルサイズ用としては、高解像で近接撮影にも強い12mmや15mmといった超広角レンズで多くの写真愛好家に知られています。LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamerもこの流をくむものと推察し、筆者も非常に注目していました。実際に各種チャートを撮影した結果は、解像力については超々広角とは思えない良好な結果といえます。ただし歪曲の少ない超広角にラオワはZERO-Dの名称を与えることが多く、W-Dreamerの本レンズは、やや歪曲の多い印象です。しかし、最短撮影距離12cmは近接に強いラオワのなかでも優秀な数値といえます。レンズに電子接点がなく、カメラ本体によるデジタル補正の恩恵が受けられないラオワの広角レンズの弱点といえるのが、周辺光量落ちです。LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamerもこの点は弱く、やや顕著な歪曲とともに必要なシーンではRAW現像などの後処理で対応する必要があるでしょう。とはいえ、超々広角とは思えないコンパクトさ、周辺部分まで高い解像力とラオワの高い技術力を改めて印象付ける魅力的な最新の世界最広角レンズといえます。

※本ブログは、電子書籍レンズラボシリーズやレンズデータベースシリーズを結論部分のみを掲載したものです。
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●ラオワ LAOWA 9mm F5.6 W-Dreamer
レンズ構成:10群14枚
最大径×長さ:Φ62.4×66mm
質量:約350g(大きさ・質量はLeica M用のもの)
実勢価格:120,000円前後
※2020年8月独自調べ

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齋藤千歳 Saito Titoce
 Amazon Kindle電子書籍『ぼろフォト解決&Foton電子写真集シリーズ』代表、
カメラ・写真ブログ「Boro-Photo」代表。
 月刊カメラ誌の編集者を経て、北海道・千歳市を拠点に車中泊で全道各地を撮影、
カメラ・写真および北海道関連の電子書籍の撮影・執筆・編集・出版を行っています。
カメラのキタムラさんが運営する
ShaSha(http://shasha.kitamura.jp/)および
学研さんのCAPA CAMERA WEB(https://capa.getnavi.jp/)でも
レンズレビュー連載およびカメラバッグレビュー連載を担当しています。
特選街web(https://tokusengai.com/)でカメラ関連および各種レビューを執筆。
焦点工房(http://stkb.co.jp/)の連載コラム「レンズチャートは囁く」を公開中。
PASHA STYLE(https://pasha.style/)にてレンズレビューを連載中。
ケンコー・トキナー公式インストラクター No.021、
北海道ファンマガジン(https://pucchi.net/)Sクラス認定ライター。
 ケンコー・トキナー公式写真ブログでも連載中。
 Facebookはtitoce.saitoです。
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