Irix 45mm F1.4 Dragonfly 解像力・ボケ実写チャート結論 齋藤千歳

Irix 45mm F1.4 Dragonfly 解像力・ボケ実写チャート結論 齋藤千歳

高い光学性能と強い個性の1本
まさか絞り開放でにじむようにやわらかくなるのは中央部分だとは!?

Irix 45mm F1.4 Dragonflyは日本国内で正式販売される4本目のアイリックスレンズです。キヤノン EF、ニコン F、ペンタックス Kマウントに対応するものがそれぞれ用意されています。レンズ構成は9群11枚でHR(高屈折率)レンズ4枚、ED(特殊低分散)レンズ1枚、ASP(非球面)レンズが1枚と特殊レンズも多く使われているのも特徴です。ぼけの美しさにも配慮して9枚の絞り羽根を採用しています。また、マニュアルフォーカス(MF)レンズですが、マウント部に電子端子をもち、Exifデータの記録にも対応済みです。アイリックスレンズお得意のピント位置を固定するフォーカスロック機構も搭載しており、アイリックスレンズらしい使い勝手のよさも確保しています。とはいえ、さまざまな焦点距離のレンズがあるなかでも、競争がもっとも激しい標準域になぜいま、900gを越えるかなり大ぶりなMF単焦点レンズを投入してきたのか? 得意のMF広角単焦点のほうがいいのではないかと、筆者は各種テストを行うまで思っていました。
Irix 45mm F1.4 DragonflyとEOS 6D Mark IIのテスト結果の非常に興味深い点は、絞り開放付近での描写になります。F1.4と開放が明るいので周辺部の描写があまくなるのはめずらしくないですが、本レンズは中央部がにじむようにやわらかくあまくなる傾向にあります。これに対して周辺部は周辺光量落ちの影響によるコントラストの低下はあるのもののにじみは感じられません。ちょっと不思議な傾向です。とはいえ、開放付近で画面中央に被写体を配置したポートレート撮影などでは、このレンズならではといえる描写が得られるので、プラスの傾向と考えてもよいでしょう。中央部分ににじみを感じるのはF2.8程度までで、F4.0から小絞りぼけの発生するF16までは幅広い範囲で画面全体のシャープネスも高く、非常に高性能なレンズに仕上がっています。開放付近の大きな周辺光量落ちとソフトなにじみ描写の対して、絞ると周辺光量落ちも改善され画面全体に高い解像力と、非常によく計算された個性的な標準単焦点がIrix 45mm F1.4 Dragonflyといえます。

※本ブログは、電子書籍レンズラボシリーズやレンズデータベースシリーズを結論部分のみを掲載したものです。
※解像力・ぼけディスク・周辺光量落ち・最短撮影距離の実写チャートによる詳細な評価などもご覧いただくにはぜひ完全版である電子書籍をご覧ください。

●Irix 45mm F1.4 Dragonfly
レンズ構成:9群11枚
最大径×長さ:約Φ87×103〜105mm
質量:約905〜925g(マウントによる変動あり)
実勢価格:136,000円前後(税込)
※2020年7月独自調べ

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齋藤千歳 Saito Titoce
 Amazon Kindle電子書籍『ぼろフォト解決&Foton電子写真集シリーズ』代表、
カメラ・写真ブログ「Boro-Photo」代表。
 月刊カメラ誌の編集者を経て、北海道・千歳市を拠点に車中泊で全道各地を撮影、
カメラ・写真および北海道関連の電子書籍の撮影・執筆・編集・出版を行っています。
カメラのキタムラさんが運営する
ShaSha(http://shasha.kitamura.jp/)および
学研さんのCAPA CAMERA WEB(https://capa.getnavi.jp/)でも
レンズレビュー連載およびカメラバッグレビュー連載を担当しています。
特選街web(https://tokusengai.com/)でカメラ関連および各種レビューを執筆。
焦点工房(http://stkb.co.jp/)の連載コラム「レンズチャートは囁く」を公開中。
PASHA STYLE(https://pasha.style/)にてレンズレビューを連載中。
ケンコー・トキナー公式インストラクター No.021、
北海道ファンマガジン(https://pucchi.net/)Sクラス認定ライター。
 ケンコー・トキナー公式写真ブログでも連載中。
 Facebookはtitoce.saitoです。
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