SIGMA fp カメラデータベース 小山壯二の結論

SIGMA fp カメラデータベース 小山壯二の結論

※本ブログは、電子書籍カメララボシリーズやカメラデータベースシリーズを結論部分を掲載したものです。
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超一級の幅広いISO感度性能
正統派で高性能な画質性能を拡張性豊かな軽量小型ボディに集約

 SIGMA fp は同社がこだわり続けた3 層構造のFOVEON 撮像素子ではなく、一般的なベイヤー撮像素子を採用した最新のシステムカメラです。機械式シャッターもEVFもなく独自の機能を最小限の大きさに詰め込み、LマウントアライアンスとしてLマウントを採用、シグマのミラーレス一眼カメラシステムの新たなキーデバイスといえます。カメラの機能全体を俯瞰してみると、動画性能に多く注力し、リグシステムを組み上げるにも最適なカメラです。
 今回のテストでは静止画撮影用機材として使用しテストした結果をまとめました。使い勝手はオプションなしでは明らかに小さすぎて、ハンドグリップなしでは落としそうで怖いくらいです。EVFもバリアングルモニターも備えていないので、そのままでは撮影アングルが大きく制限を受けます。また、電子シャッターのみである点は、動画撮影にはなにも支障はないのですが、ストロボを使いたい場合は1/30秒以下のシャッタースピードとなり、手ぶれ補正も電子式のみで静止画撮影では有効性に疑問が残ります。最高シャッタースピードは1/8,000秒と平凡ですが、超低ISO感度のおかげで大口径レンズでも高い自由度が得られます。概要としては突っ込みどころ満載ですが、画像性能をチェックすると少し印象が変わってきました。
 SIGMA fpはテストに使用した50mm F1.4 DG HSM | Artの定評のある性能を完全に引き出しています。ローパスフィルターレス撮像素子のため、微細で高コントラストな被写体では多くの偽色が発生しますが、ISO 100から4段(EV)低いISO 6という超低感度ISO拡張から最高感度まで、ISO感度の実用範囲が飛び抜けて広いのです。民生機でこれほどの性能ははじめて体験しました。ハードウェアの仕様はユニークですが画像性能は正統派で高性能、使い方の多くをユーザーに委ねた姿勢には潔ささえ感じました。動画撮影も高品質で行いたいユーザーにとって、好きにカスタマイズできるコアユニットがSIGMA fpです。静止画しか撮らないユーザーにとっては、クセは強いがワクワクする初体験のカメラがSIGMA fpといえます。

●SIGMA fp
有効画素数:約2,460万画素 35mm判フルサイズ
大きさ:約112.6×69.9×45.3mm
質量:約422g(バッテリー、メモリーカード含む)
価格:220,000円前後(税込・ボディ単体) 
※2020年2月独自調べ

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小山壯二
株式会社プロテック代表取締役
いち早くデジタルフォトに取り組み、画像処理前とアナログ時代に培った撮影テクニックで、
精⼀杯写真を撮影する。テスト記事を中⼼にカメラ雑誌への執筆も数多くこなしてきた。
最近はパノラマ撮影など、写真に関する好奇⼼はいまもって旺盛。