SAMYANG XP35mm F1.2 機種別レンズラボ 齋藤千歳の結論
SAMYANG XP35mm F1.2 機種別レンズラボ 齋藤千歳の結論
※本ブログは、電子書籍レンズラボシリーズやレンズデータベースシリーズを結論部分のみを掲載したものです。
※解像力・ぼけディスク・周辺光量落ち・最短撮影距離の実写チャートによる詳細な評価などもご覧いただくにはぜひ完全版である電子書籍をご覧ください。
高い解像力が魅力の35mmF1.2
絞り開放のF1.2から十分以上の解像力を発揮する一眼レフ用レンズ
サムヤンのXPシリーズは、同社のなかでもプレミアムラインに位置付けられ、5,000万画素以上の最新デジタル一眼レフの写真および8K級動画の撮影に十分に応えられる最高級レンズとなっています。今回検証したSAMYANG XP35mm F1.2は、サムヤンXPシリーズの4本目となるレンズです。対応するマウントはキヤノン EFになります。レンズ構成は10群12枚で、2枚の非球面、2枚の高屈折、1枚の超低分散と半数近いレンズが特殊レンズというぜいたくな仕様です。また、レンズサイズは最大径が約Φ93mm×117.4mm、質量はレンズ単体で約1,106gと大きなレンズのほうが画質的に優位とはいえ超弩級といってもいいほどの大きな単焦点レンズになっています。そして、開放F値は1.2、実勢価格は約13万円前後と大きくて、重くて、高くて、明るく、高性能ないまどきのレンズといえるでしょう。
開放のF値が1.2を切ってくるようなレンズというと開放付近は、球面収差などの要因で紗のかかったようなソフトな描写となり、絞ったときとはまったく違った描写になるレンズも多いカテゴリーです。しかし、SAMYANG XP35mm F1.2の解像力チャートの結果は、絞り開放から非常に高い解像力を示し、F2.8前後までは周辺光量落ちの影響で周辺部分のコントラストが低くみえる傾向がある以外はほぼパーフェクトな結果といえます。開放付近で周辺光量落ちの影響を避けるにはRAWで撮影して現像に補正を行うことをおすすめします。また、絞り過ぎによる解像力低下はF16で観察されますが、影響は小さいこともお知らせしておきます。広角の35mmながらF1.2と開放F値が極端に明るいので、大きなぼけが楽しめるレンズです。ぼけの描写については、非球面レンズの影響による玉ねぎぼけがみられますが、ぼけの形も美しく仕上がっています。絞り開放からピント位置のシャープな描写、ぼけの美しさを十分に楽しめる非常に高性能なレンズです。実勢価格13万円前後という価格も納得の高性能ですが、レンズ重量1.1Kgを克服するには、それなりの体力が必要でしょう。
●SAMYANG XP35mm F1.2
レンズ構成:10群12枚
最大径×全長:Φ93mm×117.4mm
質量:約1,106g ※キヤノン EFマウント用
実勢価格:130,000円前後(税込)
※2020年1月独自調べ
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齋藤千歳 Saito Titoce Amazon Kindle電子書籍『ぼろフォト解決&Foton電子写真集シリーズ』代表、 カメラ・写真ブログ「Boro-Photo」代表。 月刊カメラ誌の編集者を経て、北海道・千歳市を拠点に車中泊で全道各地を撮影、 カメラ・写真および北海道関連の電子書籍の撮影・執筆・編集・出版を行っています。 カメラのキタムラさんが運営する ShaSha(http://shasha.kitamura.jp/)および PASHA STYLE(https://pasha.style/)にてレンズレビューを連載中。 ケンコー・トキナー公式インストラクター No.021、 北海道ファンマガジン(https://pucchi.net/)Sクラス認定ライター。 ケンコー・トキナー公式写真ブログでも連載中。 Facebookはtitoce.saitoです。 カメラ・写真および北海道関連のよろずお仕事承ります。