VILTROX PFU RBMH 85mm F1.8 STM レンズデータベース 小山壯二の結論

VILTROX PFU RBMH 85mm F1.8 STM レンズデータベース 小山壯二の結論

※本ブログは、電子書籍カメララボシリーズやカメラデータベースシリーズを結論部分を掲載したものです。
※ISO感度ごとの解像力の変化実写チャート・ISO感度の変化による色彩変化の実写チャート・ダイナミックレンジのISO感度ごとの変化実写チャート・カラーモードによる色彩の変化実写チャートによる詳細な評価などもご覧いただくにはぜひ完全版である電子書籍をご覧ください。

85mm の前後ぼけを楽しむ
85mmF1.8 が存在しないフジフイルムユーザーに福音の1 本

 VILTROX PFU RBMH 85mm F1.8 STM は同じ名称で、35mm 判フルサイズ対応のソニーE マウント用のMF とAF、APS-C 撮像素子のフジフイルム X マウント用の3種が用意されています。今回はX マウント用同レンズをFUJIFILM X-T3 でテストしました。35mm 判フルサイズ用レンズの中央部分のおいしいところだけを使うため、ソニー E マウント向けとは結果が異なることが予想されます。私が知る限り2019 年8 月現在、フジフイルム純正以外でX マウント用で電子接点があり、AF が駆動するのは、ZEISS Touit の3 本と本レンズだけだと思います。価格も純正やZEISS に比べて、入手しやすく、85mmF1.8 のスペックは、ほかのX マウントレンズで存在しないため、その性能は気にかかるところでしょう。
 全体的な印象は最高級ではないけれど、カメラメーカーの一眼レフ用レンズと対等の性能であり、大きな欠点がないコストパフォーマンスの非常に高い1 本です。オール金属製のレンズ本体は、滑らかな動作とともに作りの丁寧さを感じさせます。AF も不満のない速さで合焦し、STM によるバイワイヤでフルタイムMFが可能です。ぼけ味は前後ともに優しく、中心部の高い解像力に支えられ、絞り開放で撮ることが楽しくなります。サードパーティー製レンズでは難しかったカメラ内レンズ収差補正用のデータをレンズ内にもち、各種収差に対応している点は驚きです。具体的に、どの収差に対応しているか断定できませんが、周辺光量、歪曲収差、色収差は一定量補正されていると推測されます。もしもデジタル補正なしの結果だとすれば、非常に高い光学性能をもともともっているといえるでしょう。欠点といえませんが、多くの85mm 単焦点レンズと同様、申し合わせたように最短撮影距離が80cm なので、どうしても、あと少し寄りたいと感じることが多くありました。画角は130mm 相当ですが、もう少し寄りたいのです。本レンズは純正レンズには存在しないAF の85mmF1.8 で十分な性能が安価に得られるため、今後も含めX マウントユーザーの福音となるかもしれません。

■電子書籍での完全版をぜひご覧ください。
Kindle Unlimitedの読み放題にも対応しています。

■商品の購入はぜひ、こちらから。

 

小山壯二
株式会社プロテック代表取締役
いち早くデジタルフォトに取り組み、画像処理前とアナログ時代に培った撮影テクニックで、
精⼀杯写真を撮影する。テスト記事を中⼼にカメラ雑誌への執筆も数多くこなしてきた。
最近はパノラマ撮影など、写真に関する好奇⼼はいまもって旺盛。