PENTAX smc PENTAX-D FA MACRO 100mmF2.8 WR 機種別レンズラボ 齋藤千歳の結論

PENTAX smc PENTAX-D FA MACRO 100mmF2.8 WR 機種別レンズラボ 齋藤千歳の結論

※本ブログは、電子書籍レンズラボシリーズやレンズデータベースシリーズを結論部分を掲載したものです。
※解像力・ぼけディスク・周辺光量落ち・最短撮影距離の実写チャートによる詳細な評価などもご覧いただくにはぜひ完全版である電子書籍をご覧ください。

年下の従姉妹はクール
FA Limited三姉妹の血筋を強く感じる純正100mmマクロ

 smc PENTAX-D FA MACRO 100mmF2.8 WRは、2009年に発売された実に不思議なレンズである。ペンタックス純正のKマウントレンズで35mm判フルサイズに対応するレンズは12本(2017年8月現在)。FA Limited三姉妹を含む6本の単焦点レンズは、最後のフィルム一眼レフを発売した2003年前後に発売されたフィルム向け。残り5本のズームレンズはK-1の開発と発売に合わせて2015年から2016年に用意されたものだ。なぜペンタックスのラインアップにAPS-Cのデジタル一眼レフしかないときに発売されたフルサイズ対応のマクロが本レンズなのである。そして、なぜか、ほかのフルサイズ対応レンズと異なり、アルミの鏡筒、刻印方式の文字数字の記載など、まるで年の離れた従姉妹のようにFA Limitedシリーズの影響を強く受けた外観デザインとなっている。
 外観デザインからも期待してしまうレンズの描写は開放ではやわらかく、絞りを絞ると急にシャープになるツンデレのFA Limited三姉妹に対して、本レンズは破綻のないクールビューティーと言える傾向。絞り開放から解像力は中央部、周辺部ともに高い。やや絞りぎみのF11あたりでもっとも解像力が高くなるのは、商品撮影などでも使いやすいだろう。また、絞り開放から周辺光量落ちの影響も少ない。35mm判フルサイズ対応でフィルター径49mmの小柄な100mmマクロのため、開放からF5.0前後まで周辺部分のぼけの形に口径食の影響が出るのは少し残念だ。ただし、ぼけそのものは素直で美しい。残念ながら本レンズの発売以降、FA Limitedの血筋を強く感じるフルサイズ対応レンズは用意されていない。とはいえ、コンパクトなレンズで趣味性の高い撮影を楽しめるのは、ペンタックスの魅力のひとつ。いきなりFA Limitedはちょっとという方、はじめて単焦点やマクロレンズとしてもお勧めできる1本になっている。

■電子書籍での完全版をぜひご覧ください。
Kindle Unlimitedの読み放題にも対応しています。

■商品の購入はぜひ、こちらから。

 

齋藤千歳 Saito Titoce
 Amazon Kindle電子書籍『ぼろフォト解決&Foton電子写真集シリーズ』代表、
カメラ・写真ブログ「Boro-Photo」代表。
 月刊カメラ誌の編集者を経て、北海道・千歳市を拠点に車中泊で全道各地を撮影、
カメラ・写真および北海道関連の電子書籍の撮影・執筆・編集・出版を行っています。
カメラのキタムラさんが運営する
ShaSha(http://shasha.kitamura.jp/)にてレンズレビューを連載中。
ケンコー・トキナー公式インストラクター No.021、
北海道ファンマガジン(https://pucchi.net/)Sクラス認定ライター。
 ケンコー・トキナー公式写真ブログでも連載中。
 Facebookはtitoce.saitoです。
 カメラ・写真および北海道関連のよろずお仕事承ります。