PENTAX smc PENTAX-FA 43mmF1.9 Limited 機種別レンズラボ 齋藤千歳の結論

PENTAX smc PENTAX-FA 43mmF1.9 Limited 機種別レンズラボ 齋藤千歳の結論

※本ブログは、電子書籍レンズラボシリーズやレンズデータベースシリーズを結論部分を掲載したものです。
※解像力・ぼけディスク・周辺光量落ち・最短撮影距離の実写チャートによる詳細な評価などもご覧いただくにはぜひ完全版である電子書籍をご覧ください。

もっともやさしい姉さん
価格も性格もやさしいFA Limited三姉妹の小柄な長女

 FA Limitedシリーズでいちばんはじめに発売されたことから、長女と呼ばれるのが、smc PENTAX-FA 43mmF1.9 Limitedだ。35mm判フィルムの対角線寸法と同じ焦点距離をもつ標準レンズになっている。また、レンズの重量は約155gと三姉妹のなかで、もっとも小柄で軽量に仕上がっている。ただし、ボディは質感の高いアルミ削り出しとなっており、これは77mmや31mmにも受け継がれる。
 本レンズを実際に使ってみると、三姉妹のなかでも、しっかりものでやさしい長女という印象だ。FA Limitedのシリーズの特徴としては、絞り開放でもしっかりとした中央解像力、しかし周辺の解像力はさほど高くなく、F2.8くらいまでは周辺光量落ちも多めに確認でき、開放F1.9らしいぼけが発生する。FA Limitedらしく中央解像力は高いが、周辺はあまく、ぼける状態になる。この開放付近から、絞るほど急激に周辺光量落ちが消え、周辺解像力が上がり、全体にシャープな描写も得られるのが、その特徴といえる。この性格は三姉妹ともに、ほぼ変わらない。ただし、妹ふたりと違い、長女は絞り値で性格が急変するというよりは、開けるとやわらかく、絞ると徐々にシャープになるという印象だ。開放時の周辺光量落ちもあまり多くない。解像力のピークはF8.0前後となっている。F16程度から絞り過ぎによる解像力の低下、小絞りぼけや回折が起きるので、絞る過ぎには注意したい。また、注意したいのは、絞るとぼけに8枚の絞り羽根の形が写りやすい傾向がある。これを避けるには、口径食による周辺部のぼけの変形は起きるが、絞りの形そのものは目立たない絞り開放選択すること。価格については、5万円台と、8〜9万円程度の価格である31mmや77mmに比べるとリーズナブル。3本をそろえて撮影していても、派手な性格の妹たちとは違い、コンパクトで扱いやすい焦点距離もあり、登場回数の多くなるレンズだ。

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齋藤千歳 Saito Titoce
 Amazon Kindle電子書籍『ぼろフォト解決&Foton電子写真集シリーズ』代表、
カメラ・写真ブログ「Boro-Photo」代表。
 月刊カメラ誌の編集者を経て、北海道・千歳市を拠点に車中泊で全道各地を撮影、
カメラ・写真および北海道関連の電子書籍の撮影・執筆・編集・出版を行っています。
カメラのキタムラさんが運営する
ShaSha(http://shasha.kitamura.jp/)にてレンズレビューを連載中。
ケンコー・トキナー公式インストラクター No.021、
北海道ファンマガジン(https://pucchi.net/)Sクラス認定ライター。
 ケンコー・トキナー公式写真ブログでも連載中。
 Facebookはtitoce.saitoです。
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