ZEISS Loxia 2.8/21 機種別レンズラボ 齋藤千歳の結論

ZEISS Loxia 2.8/21 機種別レンズラボ 齋藤千歳の結論

※本ブログは、電子書籍レンズラボシリーズやレンズデータベースシリーズを結論部分を掲載したものです。
※解像力・ぼけディスク・周辺光量落ち・最短撮影距離の実写チャートによる詳細な評価などもご覧いただくにはぜひ完全版である電子書籍をご覧ください。

コンパクトながら高画質の1本
クラシックで緻密な作りと開放から高画質な超広角単焦点レンズ

 ZEISS Loxia 2.8/21は、Sony Eマウントの35mm判フルサイズに対応するマニュアルフォーカスレンズである。ボディとの情報伝達を行う信号接点が搭載されており、各種情報が伝達される。焦点距離は21mm、開放F値は2.8。カテゴリーとしては24mm以下の超広角でF2.8よりも明るいレンズに分類される。レンズ構成はレトロフォーカスや逆望遠でブランド名称はDistagon(ディスタゴン)タイプ。バックフォーカスが大きくとれるので、一眼レフ用レンズなどによく使われるレンズデザインだ。レンズ構成は9群11枚、非球面レンズが1枚、部分異常分散レンズが4枚となっている。動画撮影時の利便性を配慮して、デクリック機能が搭載されているのも特徴だ。
 ツァイスレンズで写真を撮影するユーザーにとって、Batisシリーズとどう違うのか? が気になるいちばんのポイントだろう。雑にいうならAFのあり・なしという人もいるかもしれない。だがLoxia 2.8/21を使い、「いいレンズとはなんだろう」と筆者は考えた。より明るく、より広角に、そのための大口径化、大型化、0.1でもF値を明るく、1mmでも広くが超広角の現在のトレンドといえる。フィルター径82mm、鏡筒直径100mmの大きなレンズも珍しくない。これに対してLoxiaシリーズはフィルター径52mm、鏡筒最大径62mmとコンパクトに統一(2018年3月現在)。ただし、質量はずしりと手に重い。数値的には焦点距離21mm、開放F値2.8も、いまや平凡だが、絞り開放から周辺画質も含めてBatisシリーズ同様十分以上の高い解像力を示す。また、歪曲も小さく、デジタルでの補正を行う必要をほぼ感じない。色収差も少ない。大きなぼけを期待する焦点距離ではないが、ぼけは素直で10枚羽根の絞りの効果もあり形も美しい。Batisが画質に妥協することなくAFや手ぶれ補正といった利便性の高い最新技術を投入したレンズなら、Loxiaは伝統的なスタイル、質感はそのままにミラーレス一眼に適したコンパクトサイズで高画質を追求したレンズ。味わい深い、その描写と使用感をぜひ試してほしい。

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齋藤千歳 Saito Titoce
 Amazon Kindle電子書籍『ぼろフォト解決&Foton電子写真集シリーズ』代表、
 カメラ・写真ブログ「Boro-Photo」代表。
 月刊カメラ誌の編集者を経て、カメラ・写真および北海道関連の
電子書籍の撮影・執筆・編集・出版を行っています。
ケンコー・トキナー公式インストラクター No.021、
北海道ファンマガジン(https://pucchi.net/)Sクラス認定ライター。
 ケンコー・トキナー公式写真ブログでも連載中。
 Facebookはtitoce.saitoです。
 カメラ・写真および北海道関連のよろずお仕事承ります。