ZEISS Batis 2/25 機種別レンズラボ 齋藤千歳の結論

ZEISS Batis 2/25 機種別レンズラボ 齋藤千歳の結論

※本ブログは、電子書籍レンズラボシリーズやレンズデータベースシリーズを結論部分を掲載したものです。
※解像力・ぼけディスク・周辺光量落ち・最短撮影距離の実写チャートによる詳細な評価などもご覧いただくにはぜひ完全版である電子書籍をご覧ください。

幸せな広角単焦点レンズ
ほぼ弱点を感じない、好きな絞り値で思うように撮影できる1本

 ZEISS Batis 2/25はカールツァイスからZEISS Batis 1.8/85と同時に発表され、発売日の関係でBatisシリーズの最初の1本となったモデルだ。その名のとおり、35mm判フルサイズ対応の25mmで開放絞りでの明るさはF2.0。対応するマウントはSony EマウントでAF(オートフォーカス)にも対応し、防塵防滴効果をもつプロ向けのレンズとなっている。また有機ELディスプレイの距離指標表示やレンズフードまでが一体となったレンズデザインは、2017年5月発売のZEISS Batis 2.8/135まで共通である。鏡筒は頑丈で耐候性の高い金属で作られている。
 標準ズームレンズでも広角端は24mm からが一般的な今、25mm は超広角とは呼べないカテゴリー。そのうえ、開放F 値の2.0 は純正24mm の単焦点でもF1.4 やF1.8 が珍しくない現状、さほど明るくもない。さらに実勢価格も135,000 円前後と、決して安くない。それでも、このレンズを実際に使うとほしくなる。描写性能がいきなり全開なのだ。一般的に最新設計の一部を除けば、広角の明るいレンズは、絞り開放では中央部を含めて描写があまくなる。中央部の解像力だけでも開放から1段程度、周辺部の解像力まで含めると2段程度絞って、やっとレンズ本来の解像力を発揮するというレンズも珍しくない。これに対してBatis 2/25は絞り開放から周辺部まで、優れた解像力を発揮する。厳密に見てもF2.8〜F11の広い範囲が解像力のピークといえる。このため広角の大口径レンズでありながら、周辺部の解像力に気を使って絞りを選択する必要がないのである。また、レンズの歪曲も非常に少なく、デジタル補正なしでも歪みが気になることはないだろう。周辺光量落ちは、それなりに発生するが、その気になれば後処理でほぼ消すことができる。細かくアラを探すなら、少しぼけがざわつくシーンがある程度の弱点だ。とはいえ、Batis 2/25は選択可能なF値のほぼすべてで十分以上の性能を発揮する。おかげで撮影者は、自身の表現したい写真表現のためだけにF値が選択できる幸せな広角レンズである。

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齋藤千歳 Saito Titoce
 Amazon Kindle電子書籍『ぼろフォト解決&Foton電子写真集シリーズ』代表、
 カメラ・写真ブログ「Boro-Photo」代表。
 月刊カメラ誌の編集者を経て、カメラ・写真および北海道関連の
電子書籍の撮影・執筆・編集・出版を行っています。
ケンコー・トキナー公式インストラクター No.021、
北海道ファンマガジン(https://pucchi.net/)Sクラス認定ライター。
 ケンコー・トキナー公式写真ブログでも連載中。
 Facebookはtitoce.saitoです。
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