Canon EF24-105mm F3.5-5.6 IS STM レンズデータベース 小山壯二の結論

Canon EF24-105mm F3.5-5.6 IS STM レンズデータベース 小山壯二の結論

※本ブログは、電子書籍レンズラボシリーズやレンズデータベースシリーズを結論部分を掲載したものです。
※解像力・ぼけディスク・周辺光量落ち・最短撮影距離の実写チャートによる詳細な評価などもご覧いただくにはぜひ完全版である電子書籍をご覧ください。

うまく使えばLレンズキラー?
クセは強いがレンズビルドクオリティ以上の画像品質の高さ

 キヤノンの現行24-105mmの3本のなかでもっとも安価なEF24-105mm F3.5-5.6 IS STM
です。実勢価格はほかの24-105mm のLレンズの約半分。同等ではないにしろ我慢できる性能なら、EF24-105mm F3.5-5.6 IS STMを選択したいユーザーは多いと思います。レンズ自体は軽く、プラスチック部品の多用を感じる作りです。ただし、細身で軽量なためEOS Rとのマッチングはしっくりきます。レンズ性能とは関係ないのですが、レンズにプリントされた文字が、妙に太く、くっきりしすぎており、安っぽさを感じます。つい、厳しい目で見てしまうのですが、望遠時にレンズ先端がガタつく点も気になるところです。レンズの作りの印象はさておき、実写チャートの印象を紹介していきます。今回のテストでは広角端と望遠端はもちろん、50mmでのテストも行っています。これらすべての実写結果を検討してみると、周辺部分の解像力とぼけに発生する色収差に難がみられる広角端での描写以外は、24-105mm のLレンズと比べても決定的な弱点は見られないことがわかりました。広角端は弱いですが35mm付近からは、その弱点が気にならなくなります。詳細はテスト結果をみてほしいのですが、周辺光量がどの焦点距離でも豊富な点は予想以上でうれしいポイントでもあります。また、望遠端の画質は価格以上のすばらしい結果をもたらしてくれます。このレンズの特質を理解したうえで使えるなら積極的に選択する価値がある1本です。語弊を恐れず、やや乱暴にいうなら、APS-C機で使用するなら、開放F値の暗さ以外、なんの問題も感じないレンズといえます。
 気になるのはレンズの堅牢性です。特に肩にかけて移動中にレンズ先端をぶつけてしまうと最初からガタつきもあるため、ダメージは小さくないでしょう。また、防塵・防滴構造でない点も長く使っていくには気になる点です。常にカメラに着けて使う標準ズームとしては、レンズの耐久性にやや不安を感じます。さらに非常に勝手なユーザーとしての要望は、広角端での画質がいま少し向上したⅡ型を、同じ価格帯で発売してくれることを期待してしまいます。

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小山壯二
株式会社プロテック代表取締役
いち早くデジタルフォトに取り組み、画像処理前とアナログ時代に培った撮影テクニックで、
精⼀杯写真を撮影する。テスト記事を中⼼にカメラ雑誌への執筆も数多くこなしてきた。
最近はパノラマ撮影など、写真に関する好奇⼼はいまもって旺盛。