SAMYANG 12mm F2.0 NCS CS 機種別レンズラボ 齋藤千歳の結論

SAMYANG 12mm F2.0 NCS CS 機種別レンズラボ 齋藤千歳の結論

※本ブログは、電子書籍レンズラボシリーズやレンズデータベースシリーズを結論部分を掲載したものです。
※解像力・ぼけディスク・周辺光量落ち・最短撮影距離の実写チャートによる詳細な評価などもご覧いただくにはぜひ完全版である電子書籍をご覧ください。

低価格高画質な超広角単焦点
ミラーレスAPS-C機ユーザーならぜひ検討したいおすすめの1本

 SAMYANG 12mm F2.0 NCS CSは、APS-C撮像素子を採用するミラーレス一眼用に設計された開放F値2.0の明るい超広角単焦点レンズです。キヤノン EF-M、ソニー E、フジフイルム X、マイクロフォーサーズ用がそれぞれ用意されています。焦点距離12mmと聞くと多く方が魚眼レンズを想像されるようですが、12mm F2.0 NCS CSは画面の歪曲も小さい超ワイドレンズです。質量は約245g(ソニー E用)で、手のなかに収まるようなコンパクトさもAPS-C専用設計のおかげといえるでしょう。また、このクラスの超広角としては珍しくフィルターの装着も可能で、プロソフトンなどを使う星景写真愛好家の定番レンズとなっています。
 実勢価格が4万円強と、かなりリーズナブル。その理由のひとつが、カメラとの情報をやりとりするための電子接点などをマウント部にもたない完全マニュアルレンズであることです。そのため、当然AFはありませんし、絞りの連動も行われません。とはいえ、ミラーレス一眼でのピント合わせは、ピーキングとの組み合わせでかなり簡単になりますし、絞りの連動については気付かない方も多いでしょう。ただし、現在では多くのレンズがカメラと情報をやりとりすることで、カメラ側でのデジタル補正で画質を確保しています。12mm F2.0 NCS CSは、カメラ側での補正は行えないので、純粋な光学性能だけで画質を確保する必要があるのです。
 本レンズの画質は、リーズナブルな価格からは、想像できない非常に高いものになっています。解像力については、中央部は絞り開放から高く、周辺部も中央部に比べるとあまくなりますが、十分以上に解像します。超広角でありながら、補正なしでも歪曲が少ないのも特長的です。細かくいうなら、絞っても改善しない周辺光量落ちと画面の四隅に発生する色収差という弱点はあるものの、どちらも撮影後の後処理で対応できるレベルです。低価格でコンパクト、しかも周辺部分までしっかりと解像する明るく高画質な超広角、ミラーレスAPS-C機ユーザーなら、広角レンズの購入候補に入れたいおすすめの1本といえます。

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齋藤千歳 Saito Titoce
 Amazon Kindle電子書籍『ぼろフォト解決&Foton電子写真集シリーズ』代表、
 カメラ・写真ブログ「Boro-Photo」代表。
 月刊カメラ誌の編集者を経て、カメラ・写真および北海道関連の
電子書籍の撮影・執筆・編集・出版を行っています。
ケンコー・トキナー公式インストラクター No.021、
北海道ファンマガジン(https://pucchi.net/)Sクラス認定ライター。
 ケンコー・トキナー公式写真ブログでも連載中。
 Facebookはtitoce.saitoです。
 カメラ・写真および北海道関連のよろずお仕事承ります。