ZEISS Loxia 2.4/25 レンズラボ 齋藤千歳の結論

ZEISS Loxia 2.4/25 レンズラボ 齋藤千歳の結論

※本ブログは、電子書籍レンズラボシリーズやレンズデータベースシリーズを結論部分を掲載したものです。
※解像力・ぼけディスク・周辺光量落ち・最短撮影距離の実写チャートによる詳細な評価などもご覧いただくにはぜひ完全版である電子書籍をご覧ください。

豊かな表現力が楽しめる1本
十分以上の解像力や基本性能にプラスして表現力の高さが魅力

 Loxia 2.4/25は、5本目のLoxiaレンズ。 ソニー Eマウントの35mm判フルサイズ撮像素子に対応する焦点距離25mmのマニュアルフォーカスレンズ、開放F値2.4である。ほかのメーカーでは珍しい25mmだが、ZEISSでは定番の焦点距離。筆者は個人的に、この25mmの焦点距離が好きだ。レンズ構成は8群10枚。異常部分分散の特殊ガラス製レンズを2枚と非球面レンズを1枚採用している。レンズデザインはDistagon(ディスタゴン)である。最大径62mmとコンパクトだが、質量は約400gとずっしりと重いのもLoxiaシリーズに共通する特徴といえるだろう。
 このLoxia 2.4/25が発表された際に、多くの方が思ったのは「えっ、25mmはBatisとかぶるのでは?」ではないだろうか。実際、筆者もBatis 2/25が非常に高性能なため、違いを出すのは難しいのではないかと思った。Batis 2/25は、すでにレンズラボシリーズでも取り上げており、Loxia 2.4/25よりも開放F値が明るく、AFに対応しており、実勢価格も少し安いという、とても優れたレンズである。歪曲や周辺光量落ちは、ほぼ同傾向。絞り開放付近で周辺部分の解像力は、Batis 2/25のほうが優れていると筆者は考える。特殊ガラスや非球面レンズを多用した新しい設計であるBatis 2/25のほうが、よりシャープな印象なのだ。それでも、筆者はLoxia 2.4/25か、Batis 2/25のどちらかを選べといわれたら、Loxia 2.4/25を選ぶ可能性が高い。同じような描写性能なのだが、非球面レンズや特殊なガラスを多用していないためなのか、ややぼけ描写が素直というか、筆者の好みに合っている。画面全体をかっちりというシーンではBatis 2/25の描写のほうが向いているだろうが、画面内のどこかにピントを合わせて、わずかなぼけで立体感を表現するときにLoxia 2.4/25のほうが少し表現が豊かに感じることが多い。また、一眼レフに比べてミラーレス一眼では、特に広角においてAFが搭載されていないことに不便さを感じることが少ない。そのため趣味性の高いマニュアルのLoxiaという選択のハードルも低いといえる。

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齋藤千歳 Saito Titoce
 Amazon Kindle電子書籍『ぼろフォト解決&Foton電子写真集シリーズ』代表、
 カメラ・写真ブログ「Boro-Photo」代表。
 月刊カメラ誌の編集者を経て、カメラ・写真および北海道関連の
電子書籍の撮影・執筆・編集・出版を行っています。
ケンコー・トキナー公式インストラクター No.021、
北海道ファンマガジン(https://pucchi.net/)Sクラス認定ライター。
 ケンコー・トキナー公式写真ブログでも連載中。
 Facebookはtitoce.saitoです。
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