柴田誠・英語力をアップさせたかったら、まずは母国語を磨け! かな。

前のブログで書いたように、今、私が泊まっているところは大学の宿泊施設を開放しているところ。朝飯は学食みたいなところで決まった時間に食べる。当然、いろんな国の人がいて、いろんな話をしている。人間観察をするには最適な場所だ。
学校が社会の縮図であるように、ここもロンドンの観光客の縮図的な面があって、家族連れや老夫婦が以外と多かったり、アジア人は中国人や韓国人が多くいるのは多分そういう理由なんだろう。日本人は圧倒的に少ない。日本の観光シーズンではないから当然か。

昨日、私の隣の席に日本人男性と韓国人女性のカップルが座り、私のことを全く意識することなく日本語で会話し始めた。数少ない日本語の会話には興味があったが、その内容のくだらなさに腹立たしくなった(内容は省略)。そもそも英語圏で日本語が自分たちにしか通じないと思っているのは大間違い。日本大好きな外国人は、アニメやJ-POPで日本語を覚え、日本文化を理解しようと考えているし、日本人になろうと思っている人は意外と多い。あわよくば日本人と結婚して日本国籍を取っちゃおうと企んでいる人だっているくらいだ。

話を戻すと、日本人男性の日本語能力の酷さに、「お前、本当に日本人かぁ?」と聞きたくなった(もちろん聞かない)。韓国人女性の方が、よほど語彙が豊富で説明が理路整然としている。日本語って主語がなくても会話が成り立つし、助詞がおかしくても間違っていても雰囲気で内容が通じちゃう。ところが外国語の場合はそうはいかない。日本語の文章を翻訳ソフトに入れると勝手に主語をつけて訳してきたりするのはそのせいだ。そもそもあなたの日本語が、日本語としておかしいからソフトでうまく訳せない。それを理解してない人が多いのだが、訳しやすい日本語にするコツがわかれば、翻訳ソフトも充分使えると思っている。
キレイな日本語ってなんだろって考えると、語彙だったり、文法だったりが影響しているはず。文章を書く我々は当然だが、そんなことを意識して日本語を使っている人がどれだけいるだろうか。雰囲気で伝わっちゃうから、日常生活で困ることはないだろうけど、母国語をうまく扱えない人が、外国語を流暢に扱えるようになるとはとても思えない。もちろん英語的な思考は必要なんだけれど、本当の日本語の良さを理解することも大切なんじゃないのかな。

最近は、海外にいてもスカイプやメッセンジャーで打ち合わせできたりするし、原稿も日本語で書いてもいるので、「海外にいるから英語漬け」という状態ではなくなっている。が、英語の読み書きができるにこしたことはない。ちなみにロンドンでは、アジア以上に英語が通じるからラク。私の英語は、自分でもわかるくらい中国語訛りのはずなんだけどね。そして、ロンドンの情報源はブログでも地球の歩き方でもなく、フリーペーパーの『TIME OUT』。これでイベント情報を探して地図で場所を確認して出かける。
これまで出ていた『Foton機種別作例集 フォトグラファーの実写でカメラの実力を知る』の英語版『Foton Electric Photo Books Photographer Portfolio Series 179 Canon EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM in Ho Chi Minh City Report: with Canon EOS M50 ( Kiss M ) (English Edition)』が間も無く順次発売になります。デザインも写真もそのままで、テキスト部分だけを入れ替えた完全対訳版です。短い文章なので、英語の勉強には最適かも(写真の専門用語ばかり覚えてもしようがないか)。ああ、こういう時はこんな言い方をするのか、と思っていただけたら幸いです。

フォトジャーナリスト・柴田誠  Makoto Shibata

香港をベースに活動するフォトジャーナリスト。
日本のカメラ雑誌の編集者を経て独立し、現在はアジアを中心に、
カメラショーやアートフェアなどを取材しレポートする。
取材のかたわらアジア各地のストリートスナップを撮り歩く、
自称ストリートスナイパー&ナイトフォトグラファー。
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