齋藤千歳・1個あたり約300円の激安LED電球を買ってみた!
激安LED電球が撮影や写真となんの関係があるの? と思われる方も多いのではないでしょうか。
しかし、多くのフォトグラファーが室内照明、環境光のこだわっています。<いや、こだわっていると思いたいのです。
同じ写真でも、照明の色の違う環境で観察すると、色が違って見えます。
そのため、印刷物の評価を行う印刷所などでは5,000Kの色評価用蛍光灯などが使われています。
色評価用蛍光灯は演色AAA・色温度5,000K・平均演色評価数Ra99といったスペックになっています。
平均演色評価数がRa99といわれているのは、太陽光(自然光)をRa100として、どの程度自然光に近く色を再現できるかを数値化してものです。
難しい問題がいろいろあるのですが、写真やプリントなどを観察するならRa指数の高い照明を使うことが重要です。
じつは色評価用蛍光灯は、ネットなどの購入すれば、普通に蛍光灯とほとんど変わらない値段で購入できます。
なら、フォトグラファーはみんな、美術館などでも使われる色評価用蛍光灯を買えばいいということになります。
じゃあ、なんで1個あたり300円の激安LED電球を買ったのか? という話になるのです。
実は弱点のないように見える色評価用蛍光灯なのですが、少なくとも私は直管タイプしかみたことがありません。
みなさんのご自宅でいわゆるオフィスなどで使われる直管型の蛍光灯を使われてる方はいますでしょうか?
残念ながら、事務所兼自宅の我が家には直管型蛍光灯照明になっている部屋はありません。
電球(白熱電球自体が絶滅の危機ですが……)もしくは丸形蛍光灯か、電球型蛍光灯という選択肢になります。
すると、なぜか蛍光灯でもRa指数は70〜80程度の低下します。
こうなってくると、いまさら蛍光灯……電気代もかなり違うしとなるわけです。
でも、あんまり高いのはと、いつもどおりAmazonを検索です。
結果、「【セール】SH LED電球 口金E26 昼白色 密閉形器具対応 白熱電球60W形相当 省エネ90% 800ルーメン 広配光タイプ ホワイト 6個セット 人気」
を発見! LED電球6個で1,850円、1個あたり300円弱ですよ。
色温度は5,000KでRa指数は80以上ということです。
注文すると普通に届きましたので、そのままパソコンのある部屋に取り付けました。
非常に普通です。
ちらつきがあるとか、異音がするとか、そんなこともありません。
照明としてなんの不満もありません。
きっと電気代も安くなるのでしょう。
とっても安いですし、非常に満足です。
でも、なにか意地悪がしたいです。
「FUJI PROFESSIONAL PRODUCTS 光源の演色性 検査カード」です。
パッケージを見た瞬間に「おい、いつのだ?」と思った方、マニアですね。
かなり古いです。
使用期限があるものなのでしょうか。
現在はカラープランニングセンターさんで1枚1,000程度で買えるようです。
興味のある方は こちら をどうぞ。
この光源の演色性 検査カードはカードのなかにあるふたつの灰色の四角の色が左右で同じように見えるかどうかで、カラープリントなどを評価する際にその環境の光が適切かを判断するために作られたものです。
新しく1玉300円弱のLED電球に替えた部屋、一般的な蛍光灯の部屋、自然光で、それぞれ観察しました。
自然光とは異なりますが、一般的な蛍光灯の部屋とほとんどいっしょです。
つまらないですね。
ということは、今回のお買い物はどうやら成功ということのようです。
1玉300円弱のLED電球は現在も問題なく使用できています。
参考までにですが、東芝ライテックさんから「きれい色 kireiro」というRa指数90の高演色性LED電球が出ているのですが、40Wタイプしかないのと、お値段が3倍から5倍になるという感じです。
Ra指数の80程度から90へのアップがどのくらい影響するのか、興味のあるところですが、次に試してみたいと思っています。
齋藤千歳 Saito Titoce Amazon Kindle電子書籍『ぼろフォト解決&Foton電子写真集シリーズ』代表、 カメラ・写真ブログ「Boro-Photo」代表。 月刊カメラ誌の編集者を経て、カメラ・写真関連の電子書籍の撮影・執筆・編集・出版を行っています。 ケンコー・トキナー公式写真ブログでも連載中。 Facebookはtitoce.saitoです。 カメラ・写真のよろずお仕事承ります。現在、たんちょう釧路空港で写真展示を行っております。