小山壯二のカメラの“!?”「Topaz Photo AIの可能性-2 / 2600万画素 vs 4500万画素」

Topaz Photo AIでより高画素なデジカメに対抗できる画像を作れるか?

今回はムチャブリなのですが、無謀なテストをおこないます。
Topaz Photo AIが画像のシャープネスと改善し、ノイズも軽減し拡大処理も出来るなら、より多画素のカメラに対抗できる画像品質が得られるのではと、勝手な想像をしています。

参加した撮影機材
FUJI X-E4 XF 35mm F2.0 (F4.0撮影)vs EOS R5 RF50mm F1.8(F4.0撮影)
ピント位置は回廊の屋根の瓦。
ともに絞り開放から2段絞って撮影。ISO感度は通常感度の最低値。
その他出来るだけ同一条件になるよう配慮

左=Topaz Photo AIで、200%拡大  中=X-E4 オリジナル  右=EOS R5オリジナル

鮮明度では明らかにTopaz Photo AIの圧勝といえる結果ですが、極微妙な情報量としてはまだR5の方がすぐれているといえますが、A2程度のプリントでも遜色はないと考えられます。では、Topaz Photo AIの代わりに、Adobe Camera-RAWに備わる「強化」を使用した場合はどうなのか比較してみました。

左=Topaz Photo AI 右=Adobe Camera-RAW 「強化」

どちらの画像も、各辺200%拡大なので約4倍の画素数で12,480 x 8,320ピクセルとなり同じで一億画素を越えます。
鮮明度ではTopaz Photo AIの方がすぐれているのですが、グラデーション部分はのっぺりした印象が否めません。
「強化」はメリハリ感は弱いのですが滑らかさは勝ります。Topaz Photo AIでも同様の仕上げに出来るので、「強化」よりも応用範囲は広いといえます。

参考までにR5のデータをTopaz Photo AIで拡大しないで鮮明度を追加した結果と比較します。

左=E4 Topaz Photo AI 200%  右=R5 Topaz Photo AI 100%  さすがにR5はランクが違う細部描写です

元々の画素数が大きいということは、レンズの分解能が同じ程度とした場合、記録されている情報量が多いということなので、後処理ではどうしようもない差が歴然とありました。

結論は?

タイトルの疑問に対する答えは、「2600万画素で4500万画素の代わりが出来るシーンが多い」ですが、情報量として超える事は出来ないようです。
大きく使ってもA3プリント程度というユーザーなら、2400〜2600万画素機を常用し、ここ一番にTopaz Photo AIを使うことで、満足度は大きくなると思います。普段使わないけど、より高画素への憬れを盲目的に持つ必要ないでしょう。Topaz Photo AIはターボチャージャーのような存在でしょうか。過信せず必要なときに使いこなすよう心がけます。

 


小山壯二
株式会社プロテック代表取締役
いち早くデジタルフォトに取り組み、画像処理前とアナログ時代に培った撮影テクニックで、
精⼀杯写真を撮影する広告カメラマン。テスト記事を中⼼にカメラ雑誌への執筆も数多くこなしてきた。
最近は語られなくなっているデジタルフォトの基礎など、深掘り小山壯二として使命を感じて活動。
写真に関する好奇⼼はいまもって旺盛。