小山壯二のカメラの“!?”「Adobe Camera-RAW vs Topaz Sharpen 画素数の壁を破れるか」
デジタルカメラの画素数は、望めば1億画素を手にすることも可能となり、一般的多画素機では4500万〜6000万画素となっています。しかし、普段のファミリーや風景の撮影では不要ではないでしょうか。そこで、RAW現像時により緻密な画像をめざした、Adobe Camera-RAWによる「強化」とシャープネス処理に特化した「Topaz Sharpen」を比較してみます。
サンプル画像 カメラ:FUJIFILM X-E4 XF14mm F2.8/露出 ISO160 1/1700秒 F4.0
処理の内容は以下の4通りです。赤枠の部分を比較しています
1)普通にCamera-RAWで現像
カリカリ感は無いのですが極自然
2)Camera-RAWで「強化」の「RAWディテール」を選択
情報量という意味では明確な変化はなし
3)1)の画像を縦横200%にリサイズし、「Topaz Sharpen」というアプリでシャープネスを追加
荒々しい輪郭により賛否ありそうな細部表現(調整可能やや強めです)。Web向きの画像とはいいにくい
4)Camera-RAW「強化 スーパー解像度」
すこしだけ細部のディテールが増え、画素がキャラメルのように見えるほど拡大したときに、ジャギー感は大きく改善されたが、メリハリ感は向上していない
1と2は約2600万画素で長辺が50cm程度までなら、十分緻密な出力となります。3と4は200%なので1億画素以上となっていますが、元の情報が無いので1億画素のカメラとは全く違います。
結論
新聞紙見開きサイズに出力しなければ、ノーマルで十分な画質です。
さらに大型出力の時には印刷やプリントではTopaz Sharpenは細部の情報量とメリハリ感で好印象です。木々の小枝らしき細部の再現は見事で、PhotoshopやCamera-RAWのシャープネス処理では不可能な仕上がりです。
もし、8Kモニターサイネージに出力するケースであれば、「強化 スーパー解像度」の存在意義はあるかもしれませんが、積極的に利用できるほどのメリットは感じませんでした。
所詮は後処理による小細工なのですが、功罪あるとはいえ「Topaz Sharpen」は見事でした。
Topaz Sharpen AI
https://www.topazlabs.com/sharpen-ai
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小山壯二
株式会社プロテック代表取締役
いち早くデジタルフォトに取り組み、画像処理前とアナログ時代に培った撮影テクニックで、
精⼀杯写真を撮影する広告カメラマン。テスト記事を中⼼にカメラ雑誌への執筆も数多くこなしてきた。
最近は語られなくなっているデジタルフォトの基礎など、深掘り小山壯二として使命を感じて活動。
写真に関する好奇⼼はいまもって旺盛。