中一光学 ZHONG YI OPTICS SPEEDMASTER 85mm F1.2 レンズデータベース 齋藤千歳の結論

中一光学 ZHONG YI OPTICS SPEEDMASTER 85mm F1.2 レンズデータベース 齋藤千歳の結論

※本ブログは、電子書籍レンズラボシリーズやレンズデータベースシリーズを結論部分のみを掲載したものです。
※解像力・ぼけディスク・周辺光量落ち・最短撮影距離の実写チャートによる詳細な評価などもご覧いただくにはぜひ完全版である電子書籍をご覧ください。

予想を裏切るほどの優秀な1本
球面収差などの影響も少なく、絞り開放から使える85mmのF1.2

 中一光学 ZHONG YI OPTICS SPEEDMASTER 85mm F1.2は、キヤノン EF、ソニー AおよびE、ニコン F、フジフイルム G、ペンタックス Kマウントのそれぞれのマウントに対応するモデルが用意される85mmで開放F値1.2のマニュアル単焦点レンズです。レンズ構成は6群9枚でEDレンズを2枚、高屈折低分散ガラスレンズ4枚を使用しています。最大径は約Φ83mmで全長は約94mm、ソニー Eマウント向けは約120mm、フジフイルムGマウント向けは 約110mm、質量は約920g、ソニー Eマウント用は約1,050g、フジフイルムGマウント用は約1,100gとかなり大きく重いレンズに仕上がっています。また、レンズ外観のほとんどは金属製で、マウントは真鍮製という質感もよく、堅牢性の高いレンズでありながら、メーカー希望小売価格で税別85,000円から90,000円と85mmF1.2としてはお求めやすいリーズナブルな価格のレンズです。
 実勢価格8万円台の85mmF1.2と聞いたときに、開放は球面収差による紗のかかったようなソフトな、ぼけ味を優先したレンズと予想していました。しかし、実際に解像力チャートを撮影すると、画面中央部分は予想よりもはるかにシャープ、球面収差を予想していたのですが、実際には色収差が発生していました。ただし、解像はしており、F2.0で中央部分の色収差も基本的に解決、絞るほどにシャープでF8.0前後で解像力のピークを迎えます。基本的に最周辺部分の解像力はあまり上がらない傾向ですが、中間部分の解像力は上がるので、最終周辺部分は割り切ったのかもしれません。また、解像力は高いのですが非球面レンズを使っていないので玉ねぎぼけなども発生せず、玉ぼけのフチに色付きが発生するものの、ぼけの質についても最高級クラスの結果です。最周辺部分までに高い解像力を求められないことを理解したうえで女性ポートレートなどに使うのであれば、非常に素晴らしいレンズといえます。ただし、なぜか、レンズフードやリアレンズキャップなどの精度がいまひとつで、重くて、大きなレンズだけに装着や操作時に不満を感じます。

●ZHONG YI OPTICS SPEEDMASTER 85mm F1.2
レンズ構成:6群9枚
最大径×長さ:Φ約83×120mm
質量:約1050g(ソニー Eマウント用)
実勢価格:81,000円前後(税込) 
※2020年2月独自調べ

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齋藤千歳 Saito Titoce
 Amazon Kindle電子書籍『ぼろフォト解決&Foton電子写真集シリーズ』代表、
カメラ・写真ブログ「Boro-Photo」代表。
 月刊カメラ誌の編集者を経て、北海道・千歳市を拠点に車中泊で全道各地を撮影、
カメラ・写真および北海道関連の電子書籍の撮影・執筆・編集・出版を行っています。
カメラのキタムラさんが運営する
ShaSha(http://shasha.kitamura.jp/)および
PASHA STYLE(https://pasha.style/)にてレンズレビューを連載中。
学研さんのCAPA CAMERA WEB(https://capa.getnavi.jp/)でも
レンズレビュー連載およびカメラバッグレビュー連載を担当しています。
焦点工房(http://stkb.co.jp/)の連載コラム「レンズチャートは囁く」を公開中。
ケンコー・トキナー公式インストラクター No.021、
北海道ファンマガジン(https://pucchi.net/)Sクラス認定ライター。
 ケンコー・トキナー公式写真ブログでも連載中。
 Facebookはtitoce.saitoです。
 カメラ・写真および北海道関連のよろずお仕事承ります。