PENTAX smc PENTAX-FA 77mmF1.8 Limited レンズラボ 齋藤千歳の結論
PENTAX smc PENTAX-FA 77mmF1.8 Limited レンズラボ 齋藤千歳の結論
※本ブログは、電子書籍レンズラボシリーズやレンズデータベースシリーズを結論部分を掲載したものです。
※解像力・ぼけディスク・周辺光量落ち・最短撮影距離の実写チャートによる詳細な評価などもご覧いただくにはぜひ完全版である電子書籍をご覧ください。
名玉はツンデレが基本?
開放ではやわらかく、絞ると一転してシャープに変化する
現行で発売されている交換レンズのほとんどがデジタル対応であり、開発時点からデジタルカメラで撮影することを前提に製作されるのが普通だ。そんななか、35mm判フィルムで撮影をすることを前提に開発、発売から15年以上もたっているのに、多くのユーザーからフラグシップ的なレンズとして絶賛を受けているのがFA Limited三姉妹だ。今回は、三姉妹の中望遠smc PENTAX-FA 77mmF1.8 Limitedでチャート撮影と実写を行った。すでに名玉として高い評価を受けているレンズである。絞り開放は芯があるのにふんわりとやわらかく、絞るとおどろくほどシャープになるという、まさに名玉なのである。これをチャート撮影の結果からみていこう。絞り開放では、口径食が発生し周辺光量が落ち、大きなぼけが発生。ただし中央部分の解像力は、絞り開放からF16付近までほぼ変わることなくシャープだ。これが芯があるのにやわらかいという評価につながっているのであろう。実際、絞り開放で撮影すると、中央部分のシャープさが周辺部のやわらかさによって強調され印象が強まる。さらにF2.8まで絞ると、それまで発生していた周辺光量落ちや口径食が一気に改善、周辺部分の解像力もアップする。さらにF5.6からF11の絞り値では画面全体がシャープでクリアに描写される。この二面性? 三面性? のあるツンデレ? 具合が名玉の名玉たるゆえんであろう。
筆者の場合、本レンズで大きくぼかしたい考えたら開放のF1.8。画像全体の画質をそろえながらも、あまりシャープにし過ぎたくないときは、F2.8からF5.6を選択。全体をしっかりシャープに写したいときは、F8.0を中心にF5.6からF11を使っている。またF16以降では回折(小絞りぼけ)の影響で解像力が低下するのでまず使わない。やや高価なレンズであるが、現在の名玉中望遠を堪能できる1本といえる。
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齋藤千歳 Saito Titoce Amazon Kindle電子書籍『ぼろフォト解決&Foton電子写真集シリーズ』代表、 カメラ・写真ブログ「Boro-Photo」代表。 月刊カメラ誌の編集者を経て、カメラ・写真および北海道関連の 電子書籍の撮影・執筆・編集・出版を行っています。 中小企業庁委託事業「ミラサポ」派遣専門家 ケンコー・トキナー公式インストラクター No.021 北海道ファンマガジン(https://pucchi.net/)Sクラス認定ライター。 ケンコー・トキナー公式写真ブログでも連載中。 Facebookはtitoce.saitoです。 カメラ・写真および北海道関連のよろずお仕事承ります。