SAMYANG 8mm F2.8 UMC FISH-EYE II 機種別レンズラボ 齋藤千歳の結論

SAMYANG 8mm F2.8 UMC FISH-EYE II 機種別レンズラボ 齋藤千歳の結論

※本ブログは、電子書籍レンズラボシリーズやレンズデータベースシリーズを結論部分を掲載したものです。
※解像力・ぼけディスク・周辺光量落ち・最短撮影距離の実写チャートによる詳細な評価などもご覧いただくにはぜひ完全版である電子書籍をご覧ください。

魚眼がほしいと思ったら、ぜひ
コンパクトで低価格、絞り開放から解像力も高い優秀なフィッシュアイ

 SAMYANG 8mm F2.8 UMC FISH-EYE CS IIはAPS-Cサイズの撮像素子を採用したミラーレス一眼で対角180度の広い画角を実現してくれる対角魚眼(フィッシュアイ)レンズだ。Canon M、FUJIFILM X、SONY Eマウント用がそれぞれ用意されている。ただし、Canon Mマウント用のみは撮像素子のサイズの影響で対角画角は167度となる。本格的な魚眼レンズでありながら、SONY Eマウント用でΦ64.5×60.0mmで質量は約260gと非常にコンパクトなのもうれしい。8群11枚のレンズ構成のうち、2枚がガラス非球面(AS)レンズ、3枚が低分散(ED)レンズと豪華な仕様だ。
 多くの方が、広い画角とディストーションによる強力なデフォルメ効果、極端に短い焦点距離による遠近感の強調に引かれて魚眼レンズを購入すると思う。しかし、このレンズで実写やテストを行って筆者が最初に驚いたのは解像力の高さだ。F2.8と明るいレンズでありながら、開放から中央部、周辺部ともにメリハリのある高い解像力をもつ。チャートの見方によってはF4.0のほうがわずかに解像力が高い気もする。極端に焦点距離が短いため被写界深度はF2.8でも十分以上、そのためより速いシャッタースピードが得られる開放で筆者は多くの作例を撮影した。ぼけについては、遠景の撮影ではほぼ発生しない。意図的に近くにピントを合わせて、背景をぼかすという使い方になるだろう。ピント合わせについてもMF専用レンズだが、被写界深度が広いのであまり気にならない。ピーキング機能を使うとより便利だ。掲載した作例を見てもらうと分かるように、期待どおりの強力なデフォルメ効果と遠近感の強調が得られる。魚眼レンズの使いこなしのポイントは、どう変形させるかなのだが、画面の中心を通る直線は曲がらないことを頭に入れておくといい。これらの効果を上手に使うとインパクトの強い写真が撮影できるが、本書のように連続すると飽きるという弱点もある。飛び道具的な表現のため、使いどころと量を選ぶ。この点を考慮すると、4万円ちょっとで本格的な魚眼表現が得られるコストパフォーマンスの高さも魅力といえる。

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齋藤千歳 Saito Titoce
 Amazon Kindle電子書籍『ぼろフォト解決&Foton電子写真集シリーズ』代表、
 カメラ・写真ブログ「Boro-Photo」代表。
 月刊カメラ誌の編集者を経て、カメラ・写真および北海道関連の
電子書籍の撮影・執筆・編集・出版を行っています。
ケンコー・トキナー公式インストラクター No.021、
北海道ファンマガジン(https://pucchi.net/)Sクラス認定ライター。
 ケンコー・トキナー公式写真ブログでも連載中。
 Facebookはtitoce.saitoです。
 カメラ・写真および北海道関連のよろずお仕事承ります。