秋元亮太・写真倶楽部「RUWE」グループ展の裏側をちょっとだけ

現在、たんちょう釧路空港3階にて5月31日まで写真倶楽部「RUWE」グループ展が開催されています。

たんちょう釧路空港は市街地から約20km、阿寒湖温泉街からは約60kmの場所にあります。

写真倶楽部「RUWE」とは僕が講師をしている道新文化センター一眼カメラ講座受講生及び元受講生の集まりで撮影会などの活動を不定期で行っています。ちなみに倶楽部名の「RUWE(ルウェイ)」とはアイヌ語です。文字がないアイヌ語なので発音記号代わりにアルファベット表記をしています。「RUWE(ルウェイ)」は日本語では「足跡」と訳されます。倶楽部員それぞれの写真がそれぞれの足跡だという思いで僕が命名をしました。

出発口がある空港2階は吹き抜けになっているので見上げればお土産屋さんの上に3階の展示が見えます。

さて展示作品ですがA1サイズ(841mm×594mm)の紙に約680mm×450mmのサイズでプリントをして白フチをつけています。出展数は講師(僕です)参考出品も含めて10名16作品です。展示に使用しているフレームはナカバヤシの-LPFW-A1-BR(http://www.fueru-mall.jp/nakabayashi/products/29963.html)というフレームです。このフレームはポスターフレームですから通常の写真額にあるようなマットがありません。そこでプリントにはあえて白フチをつけて作品を観た人が写真額マットを使っているという錯覚を期待しました。また写真額マットを使わずに白フチ付きプリントをすることで写真額マットにプリント作品を張るという作業も省略することができます。「それなら写真をフチなしで大きくプリントした方がいいじゃないか」と思う方もいらっしゃるでしょう。展示専用のギャラリーであれば展示背景や照明などがしっかりしているのでフチなしで大きくプリントした方がもちろんいいでしょう。しかし今回の展示場所は空港の壁面です。作品個別に照明を当てることもできない場所なのでフレームと写真額マットという白フチが重要になります。

A1サイズのフレームに額装したプリントは近くで観ると迫力があります。

プリントは釧路市内にある大判プリントサービスができる場所で設置してあるCanon imagePROGRAF iPF760(http://cweb.canon.jp/imageprograf/lineup/ipf760/)を使い、僕が行いました。倶楽部員から集めた画像データを先に自前のプリンターでL判にプリントをして画像データの色合い等を微調整してから持ち込みました。中には補正が必要ないものもありました。大判プリントサービスでは料金の違いはありますが紙の選択ができコート紙と光沢紙を選ぶことができます。以前、両方の紙にプリントをして展示に使用するフレームに入れて見比べるテストをして倶楽部員に意見を聞きました。結果は差が分からずコート紙と光沢紙の見分けは倶楽部員全員ができませんでした。その結果を踏まえてコート紙にプリントをして展示しています。もちろんこれはフレームに付属しているアクリル板を通して見比べた結果です。直接見比べると光沢紙の方が断然キレイに見えますので、コート紙と光沢紙へのプリント結果は変わらないなどという意見ではありませんので、お間違えの無いようお願いします。

作品展示でもう一つ大切なことがあります。それぞれの作品のタイトルです。今回は特に厳しく意見と指導をしました。見たまま(例えば朝日やSLなど)や撮影場所(阿寒湖や釧路湿原など)はタイトルから排除をして、撮影やセレクトした時の気持ちをタイトルに付けるようにしました。ある作品は最初「オオワシと国後の日の出」というタイトルでした。出展者に作品のイメージを聞いたところ「若いオオワシ」「日の出」「勢い」などのワードが出てきたので作品の印象と合わせて相談をした結果「一番乗り!」というタイトルに変更しました。観覧の際は作品タイトルからも作者の思いを感じ取って欲しいと思います。

たんちょう釧路空港の駐車場は30分無料です。日帰り利用者向けのサービスとして空港内で700円以上の買い物をして1階総合案内所にて駐車券と買い物レシートを提示すると駐車料金が150円割引されます。60分までは無料になり90分までは50円で駐車できます。ドライブの休憩に立ち寄り作品をご覧ください。

たんちょう釧路空港:https://www.kushiro-airport.co.jp/

空港では道東の野生生物のオブジェがお迎えをしてくれます。

 


秋元 亮太
 北海道釧路市生まれ。北海道東部を中心に自然風景を撮影している。
作品作りに専心する傍ら講義、講演を行いアマチュアの指導にも力を入れている。
2010年キヤノンカレンダー作家。道新文化センター講師。
hp:http://www.ezo-photo.info/