「ZEISS Touit 2.8/50M」の解像力チャート撮影結果

「ZEISS Touit 2.8/50M レンズデータベース」の解像力チャート撮影結果を転載

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 今回のZEISS Touit 2.8/50M のテストは有効画素数約2,430 万画素のX-T2 を使いました。そのため解像力の基準値はチャートの1 から1.1 の間あたりです。中央部の解像力については開放のF2.8 から非常に高く、絞り過ぎによるF11 よりも大きな値でなければ、どの絞りでも問題はありません。さらに注目したいのは、周辺部の解像力です。F2.8 から十分に高く、画面全体の解像力が非常に高いレンズです。開放でも安心して使用することができますが、解像力のピークは少し絞ったF4.0 からF8.0 になります。大きなぼけが得られるF2.8 を安心して使えるレンズです。

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WEB掲載版補足説明

本サイトの掲載している電子書籍「レンズデータベース」「レンズラボ」に掲載している解像力チャートは、同書の監修者である小山壯二氏のオリジナルとなっています。このオリジナルチャートで、どのようにレンズの解像力を観察しているかというと、例えば6,000×4,000(2,400万)画素のカメラで特定のサイズのチャートを撮影すると、チャートの長辺の1/6,000、短辺の1/4,000の幅が1画素の幅となります。ということは長辺の1/6,000、短辺の1/4,000の幅の線が2,400万画素のカメラで解像できる線の細さの限界となるわけです。しかし、実際には多くのカメラの撮像素子はRGGBのベイヤー配列を採用しているため、1画素と同じ幅の線を解像することはほぼできません。そこでカメラ側での演算やローパスフィルターなどの影響を考慮して、1画素の幅の約1.4倍の幅の線を解像可能な基準値と考えて、どのサイズのチャートまでを画面の各部で解像するかを観察しています。この解像可能な線(チャート)の幅はカメラの画素数から簡単に計算することができるので、普段使用しているA1サイズのチャートでは800万画素で1.9、1,000万画素で1.7、1,200万画素で1.5、1,600万画素で1.3、2,000万画素で1.1、2,400万画素で1.0、3,000万画素で0.9、4,200万画素で0.8、4,540万画素で0.7〜0.8の間、5,030万画素で0.7のチャートが解像の基準となるように設計されています。

有効画素数からカメラ本体が解像可能なチャートを基準にしているので、ほとんどの場合、画面の中央(=レンズの中央)の解像力チャートは多く場合、基準となるチャートを完全に解像します。しかし、広角や超広角レンズでは画面の周辺部ほど解像力が低下することも珍しくありません。また、開放F値の明るいレンズでは、絞り開放付近で描写が紗のかかったようなソフトなものになることもよくあり、このあたりなども観察しています。

さらに、このオリジナルチャートの撮影時にチャートの長方形のラインを使って歪曲収差、画面の周辺部に配置した円形のチャートを使って倍率色収差、さらに中央部のチャートと周辺部のチャートの明るさの差から周辺光量落ちなども観察しています。